事業者の公募を開始 IR誘致へ推進協も

カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を目指す県は3月30日、事業者の公募を開始した。仁坂吉伸和歌山県知事は同日の定例記者会見で「和歌山は昔から(IR誘致に向け)準備してきた。日本の観光産業の拠点の一つにしたい」と誘致への意気込みを語った。

募集期間は8月31日までで、事業者に審査書類の提出を求めている。県は弁護士や公認会計士、一級建築士など有識者9人で構成する「事業者選定委員会」(委員長=谷口博昭芝浦工業大学客員教授)を設置。同委員会は事業運営の安定性や県が公表したIRのコンセプトに適合しているかなどを審査する。県は審査の結果を受け、11月中旬ごろに優先権者を決定する予定だ。

県は和歌山のIRのコンセプトに「スポーツ&ウエルネス」を掲げ、さまざまな観光資源を背景にしたリゾート型IRを目指すとしている。仁坂知事は候補地の和歌山マリーナシティについて「(日本遺産に認定されている)『絶景の宝庫和歌の浦』など周りの景観と調和を図ってもらいたい」と述べた。

今後のスケジュールについては政府の方針通りに進める考えを示した。

事業者の公募開始に合わせて、和歌山商工会議所や県、和歌山市は同日、IR内に設置される国際会議場施設や展示等施設などのMICE(マイス)イベントへの誘致推進を目指す推進協議会を設立した。

大阪成蹊大学経営学部客員教授の苗村淑子さんを会長に、同会議所に協議会事務局を置く。

地元経済団体としてMICEイベントの受け入れに積極的に取り組み、和歌山IRへの協力体制を構築をすることで、人やモノの交流促進および県内企業の活性化、県全体の地域経済の振興に寄与することを目的としている。

取り組み内容は、企画運営に関するカジノ収益の活用、MICEイベントのターゲット設定や役割分担などに関わる県が選定するIR事業者との協同、既存MICE関連施設および事業者との連携体制の構築などとしている。

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