コロナショックに対する緊急経済対策 ―終息後の世界を見据えて

岸本 周平

新型コロナウイルスが欧米で感染爆発を起こし、世界経済は大きな混乱に陥っています。日本でも、緊急事態宣言が出され、リーマンショックや東日本大震災を超える経済危機が予想されます。感染爆発しないように私たちが自粛要請を守り、新型コロナウイルスを抑え込んでいくしかありません。そのこと自体が最大の景気対策です。
しかし、まずは、消費抑制策により被害を受ける企業や働く人々を助けなければなりません。会社が倒産したり、事業ができなくなってしまうと元も子もありません。資金繰りが困難な企業や個人に必要な資金を重点的に支援すべきです。景気対策という発想ではなく、社会的弱者の生活と命を守ることを最優先に考えるべきです。その後、国民心理の安定化を図るためにも、大規模な経済対策が必要です。
一方で、「今、そこにある危機」に対応した後は、これまでと同じような景気浮揚対策を取るべきではありません。14世紀末のペスト、大航海時代の天然痘やはしか、19世紀のコレラなどの感染症が流行した後、社会のあり方が大きく変わりました。今回のコロナショックも、私たちの社会や経済のあり方を変えるはずです。
強欲な資本主義の下、実体経済と離れたマネーゲームの結果、日本ではマイナス金利や日銀による株の買い支えまで許してしまいました。非正規社員を増やすなど人件費コストダウンによる利益を株主配当と自己株取得に回し、内部留保をため込む経営は見直さなければなりません。
グローバル経済の光と闇も明らかになりました。中国経済への過度な依存は製造業や観光サービス業もリスクにさらします。また、インターネット会議システムなどによりテレワークの可能性が示されました。諸外国に比べて、インターネット授業や遠隔医療の遅れも明らかになりましたから、日本国内でも働き方や生活面でのIT化を進めるべきです。行き過ぎたグローバリズムから決別し、気候変動にも対応した持続可能なビジネスのあり方や、個人の生活の見直しなどコロナショック後の新たな世界を構想しなければなりません。

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