にぎわい戻るまで 飲食店などコロナで苦境

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7都府県に緊急事態宣言が発出されてから10日。影響は和歌山県内でも多業種に及ぶ。客足が減った飲食業界では持ち帰りメニューを用意するなど、自慢の味と新たな工夫で「何とか経営を維持したい」と難局に立ち向かっている店も多い。

和歌山市内のホテルでは宿泊のキャンセルに加え、大勢の人が集まる宴会などが軒並みキャンセル。歓送迎会の時期と重なったこともあり、影響は小さくない。

市内のある結婚式場では、4月、5月の挙式予約の9割が延期になったという。2月末に招待状を送ったカップルは延期の連絡作業に追われ、事態の終息が見えず、新たな予約を入れられないままだという。

同市元寺町の居酒屋「千里十里(ちりとり)」は、和歌山の新鮮な食材が味わえると、地元の人はもちろん、出張や旅行で和歌山を訪れた人も立ち寄るほどの人気店。しかし創業65年の同店も、先月から団体客の予約キャンセルなどを受け、客足が大幅に減っているという。

同店では、カウンター席の席数を減らし、席と席の間隔を広くしたり、2席に一つ消毒液を設置したりするなど、感染防止対策を徹底。

三木秀和店長は「来店してくれる人に少しでも安心して過ごしてもらいたい」と話す。また、“家飲み用”として、持ち帰りメニューに太巻き(1300円)やサバ棒寿司(1100円)、天丼(900円)などを用意。お互い頑張ろうという気持ちを込めて、持ち帰りに限っては事態が終息するまで消費税はサービスにしている。三木店長は「再びにぎわいが戻る日まで、何とかつないでいきたい」と話した。

消毒液が並ぶ飲食店のカウンター

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