休校中もつながる 智弁小でオンライン学習

臨時休校が続く中、学校ではさまざまなツールを使って学校に行けない分の児童生徒の学習を支援している。智弁学園和歌山小学校(和歌山県和歌山市冬野)では、グループ内のチャットやファイル管理などができるビジネス向けツール「Teams(チームズ)」を導入し、児童と教員、双方向の学習に取り組んでいる。

同校では始業式に児童が登校して教科書を受け取り、休校中の課題を各家庭に郵送。以降学校に来ていない。クラス替え後の担任のあいさつや児童の自己紹介もできていない状況だった。メッセージや画像の投稿を通して友達や学校とつながっている感覚を大事にしてもらいたいと、4月17日から配信を開始した。

教員が週2回質問や課題を配信し、児童が返信する。他のクラスのコミュニティーへの参加、児童同士のメッセージ交換は不可。メッセージだけでなく書き込んだノートや課題で取り組んだ工作の写真を投稿している。情報モラルについても学校から注意を呼び掛けている。

チームズの導入を進めた藤田貴憲教諭は3月からソフトを探し、利用に向け準備。児童の家にいる時間が長い分、通常の授業では時間の都合上できなかったことまでできるようになり、親子で一緒に取り組んでいる児童も多いという。また、5年生を担任する藤崎健太郎教諭はウェブ上での対話を心掛けており、配信ごとに児童の投稿するメッセージが長くなっているという。

5年生の大西里音さんは、チームズ導入のためにパソコンを購入。キーボードで文字を打ち込むのも慣れてきた。友達とは会えないが、休校中の様子を写真や文字で投稿している。「つながっていると退屈しない。今の形でも楽しいけど、テレビ電話で顔が見られたらもっと楽しいと思う」と話した。

同校では今後、英会話や授業の動画配信も検討し、通常授業に近い形で学習できるようにしていきたいとしている。

 

児童の投稿や宿題に目を通す藤崎教諭

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