誰かを思うペイフォワード CUPSが提案

新型コロナウイルス感染拡大の影響が長引く中、カップケーキが人気のカフェ「CUPS(カップス)coffee&cupcakes」(和歌山県和歌山市藪ノ丁、西山麻紀代表)は、疲れを感じている人や誰かを応援したい人に利用してもらおうと、ケーキなどを贈り、贈ってもらえる「ペイ・フォワード」と呼ばれる取り組みをしている。

ペイ・フォワードは「先に払う」「恩送り」などの意味。一人ひとりが無償のボランティアを提供しあう優しい関係性を表し、2001年公開の映画『ペイ・フォワード 可能の王国』で注目されるようになった。

同店のペイ・フォワードの利用法は、店内のボードに貼っているカードを取ってレジに渡すと、無料で好きなドリンクとケーキ、焼き菓子を一つ選べる。利用者に理由は尋ねないので、気軽に利用できるという。

逆に、医療・介護従事者など今頑張っている誰かを応援したい人は、来店での注文時に「○枚ペイ・フォワード贈ります」と伝えると、その分のカードをボードへ追加する。

緊急事態宣言が全国に発令され、最小限の営業を行う状態のカフェとして何ができるだろうかと考える中で、このアイデアを常連客に伝え、賛同を受けて始めた。すでに90人以上から寄付を受けている。

「ペイ・フォワードは古くからある日本の『恩送り』に通じます」と西山さん。同店は刺田比古神社の近隣で、神木に寄り添うように位置している。「手を合わせる度に、自分が人から受けた善意、親切を他の人に送ることをしたいと思います。『恩返し』は親切にしてくれた人にその恩を返す行為ですが、『恩送り』は別の人に対して親切にすること。少しでも人のために役立つ気持ちが広がれば」と話している。

問い合わせは同店(℡073・488・7154、正午~午後6時)。

ペイフォワードに取り組むオーナーの西山さん

ペイフォワードに取り組むオーナーの西山さん

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