高濃度アルコール販売 九重雜賀が消毒用で

新型コロナウイルス対策でアルコール消毒液が不足する中、食酢や日本酒、梅酒を製造する和歌山県紀の川市桃山町元の㈱九重雜賀が5日から医療機関や高齢介護施設、学校などを中心に「高濃度エタノール65%」を販売する。

きっかけは地域の人々からの声。「消毒用のアルコールは作っていないのか」といった問い合わせが数多くあった。しかし、取り扱いや製造でのハードルは高く容易ではなかった。

そんな中、厚生労働省がアルコール度数の高い酒などを消毒液の代わりに使用することを特例として認めたため、同社は商品化を決めた。

社員の安全性を最大限に守りながら、新型コロナに有効とされる60%以上の濃度と消防法が定める少量危険物(67%以上)に接触しないよう検討を重ねて完成させた。

商品は医薬部外品ではないが、消毒用エタノールの代替として、手指、ドアノブ、手すりなどの消毒に使用できる。ホームページから購入できるが、医療や福祉、学校などの公的機関への販売を中心に行うという。

雜賀俊光社長は「コロナウイルスが早く終息するのが願い。平時に戻るまで、しばらく時間がかかると思うが、消毒液を作ることでお役に立てれば」、同社の酒類製造部日本酒製造課の宮本竜也さんは「今できることは消毒アルコールを作ること。必要とする人の手元に届けばと思う」と話した。

「九重雜賀高濃度エタノール65%」(500㍉㍑瓶)は900円(税別)。問い合わせは同社(℡0736・66・3160)。

 

高濃度エタノールを手に雜賀社長㊧と宮本さん

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