橋本の活性化策採択 国の過疎地域支援事業

和歌山県は3日、総務省の2020年度過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業に、橋本市嵯峨谷(さがたに)生活圏のプロジェクトが採択されたと発表した。

同生活圏は市の北西部に位置する中山間地域で、米作りや柿の生産が盛ん。2006年に旧橋本市と旧高野口町が合併し現在の橋本市が誕生するまでは高野口町に属していた。浦窪と上垣内の2集落があり、浦窪集落には棚田が広がる。人口減少と住民の高齢化が進んでおり、15年の国勢調査によると、人口は135人で高齢化率は43%。県移住定住推進課によると、子どもの人数は少なく生活圏の中に小学校や中学校もないが、大阪府などから移住する人は珍しくないという。

事業は「隠れ里”嵯峨谷”を未来につなぐ”架け橋”プロジェクト」と題し、同生活圏の全世帯が加入する住民組織「嵯峨谷『縁(えにし)』の会」が主体となって実施する。無人航空機「ドローン」を活用した農薬散布による農作業の負担軽減、柿の収穫や稲刈りなどのイベントの開催、特産品を提供するカフェスペースの開設、例年8月15日に生活圏内の若宮八幡宮で行われ、県の無形民俗文化財に指定されている「嵯峨谷の神踊(こおど)り」の譜面化や映像化による保存継承などを予定している。

 

美しい棚田が広がる嵯峨谷生活圏(和歌山県提供)

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