災害時の停電に備え 関西電力送配電が訓練

関西電力送配電㈱和歌山支社(近藤忠司支社長)は25日、台風などの災害時に備えた停電の復旧訓練を、和歌山県和歌山市毛見の同社琴の浦訓練場で行った。

同社は4月1日、関西電力の送配電部門の分社化により誕生。電力の安定供給のため、鉄塔や電柱など送配電設備の維持、管理などにあたっている。

今回の訓練は、2018年9月の台風21号に伴う大規模停電を受け、昨年から行っているもの。

同台風は、近畿のほぼ全域を暴風域に巻き込んで縦断し、関西電力管内で最大約168万軒(県内24万軒)の停電が発生。被害が広域に及んだため、通常行っている被災地域への職員の応援派遣ができず、復旧に時間を要した。

この教訓から、訓練には停電の復旧を行う配電部門の職員だけでなく、人員が不足する事態に備え、他部門の職員も配電部門のサポートに参加。今回は約30人で行った。

台風により停電が発生したと想定し、職員は命綱を付けて電柱に登ったり、高所作業車を使ったりして、電線のどの位置で停電が起こっているかを探査。地上では高圧発電機車への電源ケーブルの接続、運転の監視などを行い、職員は作業手順を一つひとつ声に出して確認しながら取り組んでいた。

同支社総務部コミュニケーション統括グループの玉置裕一さんは「できるだけ停電をさせず、停電した場合は迅速に電力を送ることが大切。台風の時季を迎える前にしっかり訓練していきたい」と話していた。

同社は、関西エリアの停電情報をリアルタイムで知ることができる無料アプリ「関西停電情報」を提供しており、利用を呼び掛けている。停電情報は、府県、市区町村、地区ごとに見ることができ、地区まで絞り込むと、復旧作業の進捗状況や復旧見込み時間などの詳細が確認できる。

 

電柱に登り停電箇所を探査する職員

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧