「和歌山・再発見の旅」へ  GO TOキャンペで地元を知ろう

門 博文

去る6月19日、都道府県をまたぐ移動制限が解除され私も久しぶりに和歌山に帰ることができました。4月に緊急事態宣言が発出され、それを受けて自民党は所属議員に東京から地元への移動を控えるよう幹事長名で通達しました。そのため私も帰郷がままならず実に2カ月半に及ぶ「東京待機生活」を送らざるを得ませんでした。普段は「金帰月来」をルーティンとして和歌山と東京の往復をしておりましたので議員になってから初めての慣れない生活が続きました。東京では「リモート」で地元の陳情やご要望、ご相談に対応させていただいておりました。特にインターネットを活用したテレビ会議や陳情も体験することができました。当初は少し戸惑いもありましたが慣れてみれば意外に便利です。これはコロナ禍がもたらした副産物のように思います。ポストコロナに向けて今後も積極的に導入されていくことになることでしょう。
さて今後は感染拡大防止とともに経済の再生という大きなテーマに取り組んでいかなければなりません。一次、二次と補正予算にさまざまな給付や助成、補償などの施策が盛り込まれておりますがこれらは今の出血に緊急的に対応するためのものがほとんどです。今後、負のスパイラルが連鎖しどんどん経済が停滞すればまさに慢性疾患のような状態に陥ることになりかねません。特に観光関連の経済の動きが心配です。
私自身も永年、観光の現場で仕事をしてまいりましたがゴールデンウィーク、夏休みは一年で最大の書き入れ時です。それが今年はコロナの影響で通常年のような売上や人出を期待するのは難しい状況になってしまいました。またご承知のように日本の観光産業の成長の大きな柱になっていたインバウンドも全く期待できるような状況ではありません。このような中、何とか観光産業をテコ入れしてそれに関連した飲食や地域の商業を盛り立てていこうということで「GO TO トラベル キャンペーン」が準備されています。実に1・1兆円の予算規模です。内容は旅行代金の補助とさらに旅行先で使えるクーポンが付くというものです。個人の旅行はもちろんのこと、団体や修学旅行、日帰り旅行など幅広く活用できるものとなっています。この予算を地域にどう循環していくかが今後の観光を中心とした経済の下支えとして大変重要です。
そこで、一つの提案をさせていただければと思います。府県をまたいでの移動制限が解除されたといっても現在の東京での感染拡大の状況をみますとまだまだ不安な状況が続いています。幸い和歌山県では感染拡大は抑止されています。それならばこの際、他府県からお客さまを迎えるということではなく、また県内の皆さんが他府県に旅行に行くということではなく、この機会に和歌山の人が和歌山を旅しようということに徹底的に取り組んでみてはどうかということです。県挙げて大キャンペーンをはってみるべきではないかと思っています。「和歌山・新発見の旅」です。
和歌山はよく「宣伝べた」と言われたり言ったりします。私はその理由の一つは自分たちが和歌山をよく知らないからだと思っています。知らないものを他人に積極的に宣伝することはできません。「高野山に行ったことある?」、「熊野古道、歩いたことある?」、「パンダ、見に行った?」などなど。皆さんも何か心当たりはありませんか。「禍転じて福となす」。コロナのおかげで和歌山の人が和歌山に自信を持てた。そんな取り組みをこの機会にやってみるべきではないかと強く思います。そして「GO TO トラベル キャンペーン」の政府(東京)のお金を他の地域に持っていくのではなく和歌山経済の中で循環させていく。今回の施策は旅館やホテル、交通機関のみではなく飲食やお土産など地域の商売が幅広く対象とされています。大変な時ではありますがこれもチャンスと逆手にとって「コロナに負けずに和歌山を知ろう、語ろう」,この心意気です。

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