十和田石で作物の生育促進 江邉さんが検証

近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市西三谷)の研究員で十和田グリーンタフ・アグロサイエンス㈱(東京都)和歌山事務所の江邉正平さん(29)は、1000万年前に誕生した秋田の天然石「十和田石」(ヒナイグリーン)を使い、同市でイチジクなどの作物の発根や生育促進などの効果を検証している。

同社によると、石は1000万年前の海底で火山が噴火し、その火山灰が海底で堆積し凝固したもの。作物を選ばず、植物の根張り(発根作用)が良くなり、病害への抵抗性も上がり、収穫の増加も期待できるという。

江邉さんは、大阪府出身で同大と同大大学院で微生物と、もみがらを焼成する「もみがらくん炭」について研究。くん炭が納豆菌の仲間であるバチルス菌の増殖を促進することを明らかにし、環境保全型の農業の普及技術としてくん炭を利用できる可能性を示唆した。

同社に入社後は、同大の研究室で培ってきた研究ノウハウと石の効能を組み合わせて、同市のイチジク畑で効果の検証に励んでいる。

今春には、たい肥や赤玉土を混ぜたポットにイチジクの枝を刺し、同石を入れたものと入れていないものの成長を比較。2カ月目で成長差が見られ、3カ月後には石を入れていないものと比べて、石を入れた方が大きく成長していることを確認した。また石と微生物との間にどのような関係が生じているのかについての検証も行っていく。

江邉さんによると、効果はイチゴやミニトマト、レタス、ピーマン、ニンジン、トウモロコシなど作物全般に期待されるという。各農家からも「実の詰まりが良好」「食味の向上が期待できる」などと上々の声があるという。

江邉さんは「石なので肥料でも農薬でもないから環境に優しい。植物の根に対して良い効果があるので、肥料や農薬に頼らない農家さんには良い味方になるはず」と力を込める。

問い合わせは同社和歌山事務所の江邉さん(℡090・3671・1361)。

ハクサイの成長を見守る江邉さん

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