男女の逃避行描く 映画「ソワレ」公開へ

和歌山市や御坊、日高を舞台に、男女の切ない逃避行を描いた映画『ソワレ』が28日から全国の映画館で上映される。オール和歌山ロケ映画の3作目となり、共同プロデューサーを務める和歌山市出身の前田和紀さん(55)は「社会が抱える問題がテーマの作品ですが、タイトル『ソワレ』の意味も込めて、観た人に『必ず夜は明ける』と感じてもらいたい。和歌山市でも多くのシーンを撮影しているので、地元の皆さんに魅力を再発見してもらえたら」と話している。

映画は俳優の豊原功補さん、女優の小泉今日子さん、『此の岸のこと』『燦燦―さんさん―』などを手掛ける監督の外山文治さんによる映画製作会社「新世界合同会社」の第1回プロデュース作品。共同プロデューサーとして前田さんが参加している。

7市町の首長と経済観光団体の代表らからなる御坊日高映画プロジェクト実行委員会が協力。地元住民もエキストラとして出演し、昨年7月、3週間にわたり和歌山県内で撮影が行われた。

「ソワレ」とは日が暮れた後の時間を指す言葉。物語は、俳優を目指すも結果が出ず、オレオレ詐欺に加担して生活する翔太は、故郷である和歌山の高齢者施設で演劇を教えることになり、そこで働くタカラと出会う。タカラを祭りに誘うため家を訪れた翔太は、刑務所帰りの父親から暴力を受けるタカラを見る。そこで事件を起こしてしまった翔太とタカラは、夏の街へと逃避行を始める――という物語。

翔太を実力派俳優の村上虹郎さん(23)、タカラは100人以上のオーディションから抜擢された芋生悠(いもう・はるか)さん(22)が演じる。

県内では28日からイオンシネマ和歌山、ジストシネマ和歌山、ジストシネマ御坊で公開。ジストシネマ田辺では9月11日、ジストシネマ南紀では25日に公開を予定している。

 

ある事件をきっかけに先の見えない逃避行へ(東京テアトル㈱提供)

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