下落幅過去最大を更新 社経研4~6月期調査

和歌山社会経済研究所の景気動向調査で、2020年4~6月期の和歌山県内企業の自社景況判断は、「良い」と答えた企業から「悪い」と答えた企業の割合を引いたBSI値が、過去最大の下げ幅だった前回よりさらに悪化し、マイナス43・4(前期比22・3㌽下降)となった。7~9月期の見通しはマイナス41・0(同2・4㌽上昇)でわずかに上向くが、新型コロナウイルス感染拡大による深刻な影響が広がっているとみられる。

調査は県内企業2000社(建設業200、製造業400、商業600、サービス業800)にアンケートで実施し、838社から回答を得た(回答率41・9%)。

4~6月期の景況BSIを産業別にみると、建設業1・9(前期比20・2㌽下降)、製造業マイナス44・8(同19・0㌽下降)、商業マイナス53・3(同22・2㌽下降)、サービス業マイナス50・7(同26・7㌽下降)。

建設業はプラス水準を維持したものの、約3年ぶりの低水準となった。製造業は6期連続の下降で、下降幅はリーマン・ショック後の09年1~3月期の31・3㌽に続く大きさ。商業とサービス業はともに、リーマン・ショック後の最低値を下回る厳しい数値となった。

地域別の景況BSIは、和歌山市が27・4㌽の大幅下降でマイナス42・8となり、全ての産業で下降した。紀北地域(海南・海草、那賀、伊都)は6期連続下降のマイナス44・6と極めて低い水準となった。

7~9月期の見通しは、建設業マイナス11・3(前期比13・2㌽下降)、製造業マイナス53・2(同8・4㌽下降)、商業マイナス44・9(同8・4㌽上昇)、サービス業マイナス40・1(同10・6㌽上昇)となっている。

日本銀行の調査による業況判断指数(短観DI)と比較すると、短観DIは4~6月期が前期比27㌽下降のマイナス31で、県内BSIよりも大きく下降。7~9月期は、短観DIが3㌽下降のマイナス34に対し、県内BSIはやや上昇のマイナス41で、差は縮まる見通し。

経営上の問題点は、「売上不振」が54・1%(前期比16・2㌽増)で4期連続のトップ。09年10~12月期以降で初めて50%を超えた。次いで「人材不足」18・6%、「競争の激化」6・5%、「設備の老朽化」5・6%だった。

今回の調査では、新型コロナ感染拡大による影響と対応についてのアンケートも実施(調査時期6月10~25日)。6月の売上高水準は全産業平均で前年比24・7%減で、国の持続化給付金を活用した事業者は予定を含め43・1%に達した。

県内企業の自社景況判断

県内企業の自社景況判断

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧