塗装の技術者育成 和工でものづくり実習

和歌山県立和歌山工業高校(和歌山市西浜)で4日、ものづくりマイスターによる木工塗装実習が行われた。産業デザイン科の3年生10人が参加し、日本塗装工業会県支部(栗原佳宏支部長)から技術を学んだ。

ものづくりマイスターは技能検定1級、実務経験15年以上の技能者のうち、厚生労働省が認定している指導者で、熟練した技能者が減少する中で若手を育成しようと企業や学校で体験学習や指導を行っている。同校では毎年マイスターによる授業を実施。2級技能検定の課題をベースに、ベニヤ板に図を描き、塗って仕上げる作業を2回にわたり行った。

この日は前回の続きで指定された色の調合から始めた。5色の塗料を少しずつ混ぜ、見本の色に近づけていく。生徒は容器に塗料を取り、白や黒の塗料を垂らして色の明暗を調整していた。その後、図を鉛筆で下書き。定規とコンパスを使い、板の上にしるしを入れたり、課題図に示された長さを確認したりしながら慎重に線を引いていた。最後はマイスターにはけの使い方を教わり、線に沿って丁寧に色を塗っていった。

城田夏生さん(18)は「思っている以上に難しかった。一から色を作るのも、図を鉛筆と定規で描くのも大変だったが、色作りは楽しかった」、栗原支部長(59)は「色の調合も見本に近づけようとみんな一生懸命に取り組んでくれた。若い人が少ない業界なので、興味を持ってもらえたら」と話していた。

はけの使い方を習いながら作業する生徒㊧

はけの使い方を習いながら作業する生徒㊧

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