自己負担なく乳がん検診を 和歌山トヨタ

和歌山トヨタグループ(小川至弘会長)は、ピンクリボン月間にあたる今月1日から、女性社員と、男性社員の配偶者を対象に「乳がん検診無料化」を始めた。同グループの女性社員の平均年齢は31・8歳。結婚、出産後も働き続ける社員が増える中、社員一人ひとりが健康で輝き続ける明るい職場づくりを目指す。

同グループはこれまで、乳がん検診については、40歳以上の社員を対象にした人間ドックのオプション検査(会社全額負担)や、各自治体が発行するクーポン(40歳以上が対象)の利用などで受診の促進を図ってきた。

女性の約10人に1人が罹患(りかん)するといわれている乳がん。40~60歳代前半までが発症のピークといわれているが、近年、35歳以下で発症する若年性乳がんが急増。若い時に発症する「進行性乳がん」は、深刻なケースになる場合が多いという。

そのような中、乳がんの早期発見や健診の大切さを広めようと、同グループで一昨年発足した「灯・AKARIプロジェクト」が、補助やクーポンの対象ではない40歳以下の社員も、自己負担なく検診が受けられるよう「乳がん検診無料化」を小川会長に嘆願した。

同プロジェクトは、乳がんのため42歳という若さで姉を亡くした、社員の南直子さんの「一人でも多くの人に乳がんのことを正しく知ってもらいたい」との思いに、グループから女性社員が集まり、乳がん啓発活動を行っている。

快諾した小川会長は「社員とその家族が健康であることが大切。幸せの基本は健康」と取り組みを後押し。また同プロジェクトの顧問でもある森礼子県議会議員は「早期発見できれば命をつなぐことができる。和歌山から啓発していければ」と話す。

南さんらは、4月ごろから乳がん検診実施医療機関や、乳がんセルフチェックのイラストなどが掲載されたチラシを作成。「チラシを持ち帰ることで、男性社員も正しい知識を得て、家族に受診を勧めるきっかけにしてほしい」と話している。

 

小川会長(前列中央)と顧問の森議員(同左)、南さん(同右)、後列はプロジェクトメンバー

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