原点見つめ、その先へ 海南で親族4人作展

和歌山県和歌山市出身の水彩画家の故・田中佳美さんと弟の大久保雅功さん(陶芸)、田中さんの長男の淳貴さん(陶芸)、大久保さんの長男の陽平さん(陶芸)の親族4人の作品展「始まりと続きと終わりと」が10月31日、海南市船尾の旧田島うるし工場で始まった。8日まで。

4人の展示は初めてで昨春からそれぞれ制作を始めた。テーマには始まり(血縁)とそれぞれの続き、終わりの意味合いを込める。田中佳美さんはことし6月にがんのため73歳で死去したが、4人の思いや考えを作品を通じて形として残した。

それぞれの「始まりと、続きと、終わり」を赤レンガの柔らかくも強く凛とした空間に展示。親族という原点を見つめ、それぞれの先を見つめていく。

田中さんの作品は墨とアクリル絵の具を使い、県内のハスの花や住んでいた岡山県の植物、制作途中のものなどを並べる。大久保さんは骨をテーマに「ストゥーパ」など有機的で生命感のある作品、淳貴さんは「たたき技法」で900~1000度で焼き、石やスプーンで研磨し光沢を出した「研磨土器」を置く。陽平さんはスコップやマスクなど泥漿(でいしょう)を使った作品に仕上げている。

大久保さんは「それぞれ方向性が全く違うことをやっている。姉(田中さん)が頑張って描いた作品とそれぞれの個性を見てもらえれば」と話している。

4日休み。午前10時から午後5時まで。問い合わせは同工場(℡090・4296・0166)。

「それぞれの個性を見て」と大久保さん

「それぞれの個性を見て」と大久保さん

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