緑豊かなふるさと描く 髙幤さん日本画展

和歌山県和歌山市出身で、日本美術院特待の日本画家・髙幤(たかへい)佳代さん(63)=札幌市=の個展が9日まで、同市湊通丁北のアバローム紀の国2階ギャラリー龍門で開かれている。

個展は4年ぶり。この1年半余りは、家族の介護のため和歌山市の実家で月のほとんどを過ごしていたといい、今展では庭に咲くアジサイやスイセンの他、和歌山の身近な風景や院展の出品作など30点を展示している。

髙幤さんは「暮らす環境によって、絵もずいぶんと変わるものだと感じます。作品の色合いも、いつもと少し違っているかもしれません」と話す。

「紀ノ川」は光と緑に包まれた景色を色彩豊かに表現。これまでに何度も訪ねたという荘厳な「那智」の他、白樺の水面の映り込みや青緑と白のコントラストが美しい「早春譜」、澄んだ空気が伝わるような石狩川の日の出を描いた「朝」などが並ぶ。

「私の中で、和歌山はのんびりしたイメージ」とにっこり。ただ、都会的に変わりゆく風景にも心引かれ「古さばかりにとらわれず、変わりつつあるふるさとの街並みも描いてみたい。健康で絵筆を握れる限り、描き続けられれば幸せですね」と話している。

午前10時から午後6時(最終日は4時)まで。問い合わせは同所(℡073・436・1200)。

 

「紀ノ川」㊨、「那智」と髙幤さん

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