新時代の教育制度改革 党PTで私論報告、議論へ

石田 真敏

この度の人事で、「党の運営及び国会活動に関する重要事項を審議決定する」総務会の副会長に就きました。また税制調査会や地方創生本部など従来と同様の役職も担います。ただ今回は新たに、教育に関するプロジェクトチーム、地方議会に関するプロジェクトチーム、さらに放送に関する委員会で責任者を務めることになり、多忙を極めそうです。
そのような中、教育PTの第1回会合を開き、「Society5・0時代の教育制度改革」と題して次のような私論を、基調報告として申し述べました。今後さまざまな意見聴取や議論を通して、PTとして結論を出していく予定です。
【基調報告】
時代の大変革に伴う教育の背景の変化と課題、さらに抜本的改革について以下に述べます。
【課題1】社会背景の変化
①少子化による児童・生徒間のコミュニケーション能力や切磋琢磨の機会の減少。
②女性の社会進出などによる長期休暇や下校時の保護者不在。
③AIなどの進化による卒業時の就労職種の大きな変化。
④ICTの進化に伴うインフラ・教育内容・教育人材の早急な整備と活用。
【課題2】現状の問題点
①貧困による教育格差が、乳幼児・初等・中等、各教育段階で負の影響をもたらし、貧困の連鎖を生むことが懸念される。
②英語やプログラミングなどの新たな科目の追加によって、授業時間など従来の授業内容が圧迫され、教員の負担増加とともに基礎学力の低下が懸念される。
③教員の過重労働環境が従来から指摘されている。
【課題3】新たな要請
①リベラルアーツ、STEAM教育などの要請。
②習い事などが非認知能力の向上に資することが指摘されている。
以上の課題に対応していくには、従来の教育制度の手直しだけでは、現場が持ちこたえられないことは明らかであり、抜本的な教育制度の新たな構築が必要です。
【改革1】抜本的な見直しの視点
①就学以前の教育の重要性が近年指摘されていること、また従来から小4と小5の間の「9歳半の節」、さらに中1と中2の間の「親離れ」など心身の変化が指摘されていることを踏まえ、年齢特性とそれに応じた必要な能力を育成する制度。
②貧困による教育格差による貧困の連鎖を生まない。
③女性の社会進出を妨げない。
④教員の過重労働環境の改善。
⑤時代の要請に応じた教育環境・教育内容とする。
【改革2】抜本的改革案
①幼保一元化を行い義務化することで、その後の教育課程で負の影響を再生産して格差が拡大しないよう、特に非認知能力を高める教育を行う。
②6・3・3制を4・3・5制とし義務教育化することで、年齢特性に応じて新小学校では情操教育、新中学校では知育への青年への過渡的教育、そして新高等学校では将来の進路を見定めるための教育を、重点的に行い大学などにつながる教育を行う。
③長期休暇を全面的に廃止し通年授業とすることで、教員や補助員を増やし教員の過重労働環境を改善するとともに、授業時間不足を補う一方、徹底した「落ちこぼれをつくらない」対策を講じる。また、習い事による学びなど貧困による格差拡大の是正につなげ、女性の社会進出の支援にも資する。

以上概略ですが、Z世代・デジタルネイティブ世代などと呼ばれる、従来と異なる意識や行動をとる若者世代への対応なども含め、21世紀にふさわしい人材育成のあり方について今後さまざまな検討が必要です。すぐに実現できるものではありませんが、皆さんのご意見を伺い議論を深め、よりよい教育のあり方を模索していきたいと思います。

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