和歌山の「おいしいミカン」をベトナムへ フック首相に提唱、早期解禁へ前進

二階 俊博

11月も後半を迎えましたが、今年も和歌山県内の温州ミカン生産地は、あたり一面がオレンジ色に輝く収穫の時期を迎えました。生産者の皆さまは早朝から深夜まで、収穫、選果、出荷作業に追われる、まさに家族総出の大忙しの時期です。生産者の皆さまが丹精込めてつくったミカンは、私たち和歌山県に生まれ育ったものとして、ふるさとの自慢の一品であり誇りでもあります。
私は今年の1月に日越友好議員連盟の会長として、ベトナムのダナンを訪問し、フック首相との会談に臨みました。フック首相とは長年のお付き合いから、双方が相手国を訪問する際はもちろんのこと、第三国で開催される国際会議の合間でも互いに時間を割いて、緊密な対話を重ねている、信頼できるリーダーです。私はフック首相との会談の際、ベトナム政府の許可を得て、まだ輸出が認められていない温州ミカン(和歌山県産)を持参し、日本からの輸出を解禁していただくように求めました。フック首相はそのミカンの味を大変評価され、事務当局に対し前向きに検討するよう指示をしてくださいました。
農作物の輸出解禁には病害虫の検査や、産地の衛生管理等、乗り越えなければならない課題がたくさんあるため、通常は4~5年の期間を要するといわれています。しかしながら、フック首相は可能な限り作業を早め、できるだけ早期に温州ミカンの輸出ができるように調整を加速する約束をいただきました。
また、先月、総理就任後にベトナムを訪問された菅義偉首相とフック首相との首脳会談において、この問題の早期実現を目指す方針で一致し、記者会見において発表されました。日本一の産地である和歌山県にとって、大きな朗報となりました。
温州ミカンの海外輸出額は2019年度では約4・8億円。主な輸出先は香港や台湾ですが、約1億人の人口を有するベトナム市場に輸出が可能となれば、輸出額の大きな向上が見込めます。
和歌山県は言わずと知れた、日本を代表する農業県であり特に果樹生産王国であります。近年は生産者の高齢化や人手不足も大きな課題となっています。私はこれらの課題を克服し、生産者の収入安定化につなげるためにも、海外輸出先の拡大は有効な手段ではないかと考えています。「豊作貧乏」という言葉もあるくらい、農家の皆さまが懸命に収穫量を増やせばもうかるといった単純な世界ではありません。供給過多になり市場に品物が溢れた場合は、価格が暴落してしまうことも多々あります。海外に販路を拡大しておけば、余剰生産物を輸出に回すことも可能になります。
これから、日本は人口減少社会に突入します。その中で、豊かさを維持するためにも、諸外国との関係が今まで以上に重要となります。和歌山の「おいしいミカン」を世界へ、全力を尽くします。

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