コロナで暮れる2020年 特措法改正による対策が必要

岸本 周平

今年を振り返ると、新型コロナ感染症一色の一年でした。1月に中国武漢での感染のニュースが報じられた時には、まるで他人事でした。和歌山県下で初めて感染者が出ても、まだ緊迫感は少なかったように思います。今、第三波によって、大阪や北海道では医療崩壊のおそれさえ伝えられるようになり、危機感が共有されるようになりました。
それにしても、欧米に比べて感染者や重症者の数が一けたも二けたも少ない日本で医療崩壊寸前になることはショックです。パンデミックが起きた時の医療システムが弱かった点は今後改善すべきです。
一方で、日頃から看護師さんなど医療従事者が慢性的に不足していたことは大いに反省すべきです。医療や介護に従事するエッセンシャルワーカーの皆さんの待遇が低いことが原因の一つであることは確かです。来年度予算では、この点を抜本的に見直すべきです。
このような事態でも、政府はGoToトラベルを続けています。感染を止めるには人の移動を止めることが大事です。元々、GoToトラベルは感染が収まってからの景気対策でした。観光関連産業の皆さんには直接の所得補償で対応すべきです。今、必死で働いているエッセンシャルワーカーの皆さんはGoToトラベルどころではありません。
私たち野党は、新型インフルエンザ等特措法の改正案を臨時国会に提出しました。誰もがいつでも無料で検査を受けられるようにすると同時に、休業命令など知事の権限を強化した上で、休業補償についても国が全額負担して給付金が支給できる内容です。本当に必要な改正です。会期を延長して国会で審議すべきでしたが、政府与党は国会を閉じました。
大幅な財政赤字が続いていますが、今は、コロナ対策のための大胆な財政出動が必要です。しかし、効果のない無駄な予算をばらまくべきではありません。最近、特に若い女性の自殺が増えています。本当に困っている方々に直接、支援の手が届くようにきめ細かな政策が求められています。
来年は、ワクチン接種の日本への導入という明るいニュースもありますが、与野党で知恵を出し合い、コロナ対策に万全を期すための国会審議を一日も早く再開していただきたいものです。

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