WAKAYAMA NEWS HARBOR
和歌山さんぽみちプロジェクト

誘致進める「コスモパーク加太」

前号では、「体験型観光」と「鯛料理」の魅力と題し、深山の自然と加太ならではの食について取り上げた。休暇村紀州加太の南東側に大きく開けた企業団地が見える。今週はコスモパーク加太を紹介したい。
コスモパーク加太は、県土地開発公社により開発された企業団地。丘陵地を切り開き、採取した土砂を関西空港第一期工事の埋立地の造成に使用。約250㌶に及ぶ広大な用地が完成した。
企業誘致に苦しむ時期が続くも、2003年に構造改革特区(新ふるさと創り特区)の指定を受け、土地開発公社造成地の賃貸が容認されたことを契機に、誘致が進んできた。
記憶に新しいのが、カゴメブランドの生鮮トマトを栽培する「加太菜園」の誘致。18年に上陸した台風による生産設備への甚大な被害により操業を停止、解散を余儀なくされたが、日照率の良い土地を生かした魅力ある事業が展開された。
太陽光発電所(メガソーラー)の建設も進み、総出力は21〓㍗と大規模で、家庭の電力使用量に換算すると年間約5000世帯分に相当するという。
17年には県消防学校の新校舎が開校。国内初とされる「自然災害対応訓練施設」が設置され、浸水した車両や河川からの救助訓練、倒壊家屋からの救助を想定した訓練施設を備えるなど、地域性を考慮した訓練を実施。広大な敷地を生かし、地域の防災力を高める人材育成が行われている。
市中心部や高速道路のインターからのアクセスは優れないが、さらに企業誘致が進み、用地が積極的に活用されることを期待したい。
(次田尚弘/和歌山市上空)