引きこもり支援強化へ ネットワーク発足

和歌山県内で引きこもりの支援活動を行う10団体が連携し「ひきこもり支援ネットワーク」を発足させた。引きこもりの長期・高齢化が社会問題となる中、民間団体の横のつながりを強化し、引きこもり当事者や家族の支援を一層充実させる。

県では2004年、全国に先立って施行した「ひきこもり者社会参加支援センター事業」が18年度に終了したこともあり、引きこもりに特化した行政支援が少ない現状にあるという。

県内では、さまざまな団体が居場所づくりや就労支援などを行っているが、より連携を深め、交流や学習の場を持とうと発足した。

現場の状況と行政の認識における溝を訴える団体も多く、今後は情報を共有しながら、支援制度の狭間で社会から孤立した人たちを支援できる体制づくりを図る。3カ月に1度の頻度で、県内でネットワーク会議を開き、県との懇談も積極的に行っていく。

19日に同市七番丁の市勤労者総合センターで第1回発足会議が開かれ、参加した7団体がそれぞれの活動や特色、近況などを報告し合った。

社会福祉法人一麦会ハートフルハウス創(紀の川市粉河)の法人事務局次長、野中康寛さん(47)は「1団体での活動には限界があり、付け焼き刃ではなく良い制度をつくるためにも国の体制を整えることが必要。現場の思いを行政に訴え掛けるためにも、ネットワーク間で情報交換し、知識を深めていきたい」と意気込みを語った。

現時点での参加団体は次の通り。

NPO法人エルシティオ(和歌山市)▽NPO法人ハートツリーひなたの森(田辺市)▽NPO法人ハートツリーあずまプラッツ(新宮市)▽ひきこもり支援サークルとらいあんぐる(橋本市)▽NPO法人よりみち(かつらぎ町)▽社会福祉法人一麦会ハートフルハウス創(紀の川市)▽社会福祉法人太陽福祉会御坊・日高地域障害者生活支援センターあおぞら24時間安心コールセンター(御坊市)▽NPO法人ヴィダ・リブレ(日高郡美浜町)▽有田地方教育相談室みらい(有田川町)▽ひまわり(御坊市)

今後の活動について話す野中さん

今後の活動について話す野中さん

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