得難い和歌浦干潟の風景 松原さん写真展

和歌山県和歌山市和歌浦の写真家・松原時夫さん(81)初の写真集『水辺の人』の出版を記念した展覧会が17日、同市十一番丁のギャラリーTENで始まった。28日まで。

数点を除きほとんどが写真集に未収録の作品で、モノクロ18点が並ぶ。約60年前、かつて和歌浦干潟で行われていた海苔の養殖をなりわいとする人の姿を写したもので、一日の仕事の流れが伝わるよう構成されている。

1隻の小舟がさざ波を立てて進む静かな情景、日差しを受けてきらめく水面を写したものなど、詩情漂う作品が並ぶ。

柔らかく立体的な質感のグレーの美しさも見どころ。松原さんは「コピーフィルムならではの表現も楽しんでもらえれば。写真好きの方からのマニアックな質問も大歓迎です」と笑顔。

70年にわたって和歌浦を撮り続けてきた松原さんが、特に心引かれるのは干潟の風景だといい「干潟は、都会では得がたい空間。古くからの景勝地で、これからもこの美しい景観が保たれ続けることを願います」と話している。

火曜日休み。午前11時から午後5時(最終日は3時)まで。問い合わせは同所(℡073・432・5600)。

海苔の養殖の風景を写した作品の前で松原さん㊨

海苔の養殖の風景を写した作品の前で松原さん㊨

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