前年度比2.8%増の296億円 紀の川市予算案

紀の川市は19日、2021年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比8億1000万円(2・8%)増の296億3000万円。2年ぶりに前年度を上回った。新型コロナウイルス感染症対策や防災、人口減少などの重点政策の予算を確保した。中村愼司市長は「生活と地域経済を守り、元気なまち紀の川市をつくる予算として、差し迫った大切な課題に対して切れ目なく対応できるようにした」と述べた。25日開会の定例市議会に提案する。

【一般会計歳入】

市税は減収(前年度比0・5%)したが、新型コロナウイルス関連費やふるさとまちづくり寄付金の増加などで自主財源の構成比は31・6%(前年度31・2%)と増加。依存財源は68・4%(同68・8%)と減少した。

市税は3465万5000円(0・5%)減の65億4089万円。地方交付税は2億4000万円(2・3%)減の102億2000万円などとなっている。

【一般会計歳出】

義務的経費は0・4%減の143億1792万6000円。投資的経費は4・5%増の32億6051万円。その他の経費は6・4%増の120億5156万4000円。

一般会計に特別会計と公営企業会計を含めた予算総額は前年度比2・2%増の514億9323万4000円。

新型コロナウイルス感染症への対策として、ワクチン接種体制の整備に3億5892万5000円。県内市町村初となるSNSアプリ「ライン」を利用した接種予約システムを導入し、新型コロナウイルス感染防止対策への補助には397万1000円を確保する。

ICTを活用した窓口サービスの向上も図る。証明発行手数料の支払いにキャッシュレス決済を県内市町村で初めて導入。電子申請システムや手続き案内サービスの導入などで行政手続きのデジタル化を積極的に推進する。

コロナ禍でも「知の拠点」としての図書館機能が損なわれないように、移動図書館(2419万円)も計画。図書館における「密集の緩和」と直接来館が難しい人へのサービス向上策として週5日(月・木曜を除く)、粉河、那賀、桃山地区など図書館がないエリアの公共施設や保育園、高齢者施設などを巡回する。運行は今秋ごろを予定している。

防災対応力の強化と防災・減災への推進として、避難所の空調整備(3億1796万5000円)に着手。全国的に整備が進んでいない学校体育館への空調整備を行う。また災害発生時の断水時に備えた給水車の購入(2106万7000円)、「災害時情報共有システムの導入」(105万6000円)、ハザードマップの改訂(507万6000円)を行う。

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧