Bリーグ参入目指し 新バスケチーム誕生

バスケットボールのBリーグ参入を目指す新チーム「ONELYS WAKAYAMA(ワンリーズワカヤマ)」が4月、和歌山県和歌山市を本拠地に発足する。プロアスリートの育成や聴覚障害者の選手受け入れ、バスケットボールスクールなどの活動を進め、運営する認定NPO法人「one―s future(ワンズフューチャー)」の上田頼飛理事長は「和歌山のまちに役立つ活動をして、周囲から押し上げてもらえるチームを目指す」と話している。

24日、上田理事長らが和歌山市の和歌山商工会議所で記者会見し、球団設立を明らかにした。

上田理事長は紀の川市貴志川町在住の僧侶で、デフ(聴覚障害者)バスケットボール男子日本代表監督を務め、和歌山と大阪の聴覚障害者らでつくるクラブチーム「誠family」などを指導し、和歌山からバスケットボールや障害者スポーツの普及、発展に取り組んできた。

ワンリーズワカヤマは、5年後の2026年度のBリーグ参入を目指し、初年度は県社会人リーグに参戦、22年度は社会人地域リーグへの昇格を掲げ、同リーグトップレベルへの実力向上と県内でのチームの認知度アップを図っていく。

ワンリーズはONE(ワン)とONLY(オンリー)を合わせた言葉で、一人ひとりが「これだけは負けない」ものを磨くだけでなく、苦手も得意にして羽ばたこうという意味を込めている。

障害者と健常者の選手が共に在籍することがチームの大きな特徴で、プロ選手の育成だけでなく、プロは目指さずに和歌山を盛り上げるために活動する選手、障害者スポーツのトップを目指す選手が一緒に高め合う。

バスケットボールスクールは、和歌山市と紀の川・岩出市、大阪市、兵庫県尼崎市、名古屋市の5カ所で開校する。主に小中学生を対象とし、和歌山市では一般の初心者向けにも行う予定で、チームのコーチ、選手らが指導に当たる。

記者会見には上田理事長、川田稜介ゼネラルマネジャー、山本星矢選手会長、聴覚障害がある森井涼太選手が出席。

上田理事長は「夢を持てるもの、憧れるものがなければ若者が和歌山市の外に出て行ってしまう。コロナで厳しい状況とは分かっているが、この時期に設立に踏み切った」と説明。地域貢献の取り組みを通じて企業などの支援も募り、「和歌山のお役に立ち、面白いことをしていると言ってもらえる活動にしたい」と話した。

U21デフバスケットボール世界選手権で銀メダルを獲得している森井選手は「チームの障害者選手第一号として光栄に思っている。自分がBリーグで活躍したい思いもあるが、デフバスケの認知度を上げるためにも、健常者との橋渡し役になりたい」と決意を話していた。

チームはすでに8人の選手が内定しており、3月28日に和歌山市の県立体育館で入団トライアウトを行い、12~15人程度での発足を予定している。

球団設立を発表した(左から)上田理事長、山本選手会長、森井選手、川田GM

球団設立を発表した(左から)上田理事長、山本選手会長、森井選手、川田GM

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