生命と財産を守る防災対策 東日本大震災10年、政治の役割

門 博文

通常国会での質疑が行われていますが令和3年度予算案が衆議院を通過し当院では常任委員会で法案審査などの実質的な質疑が始まっています。
私は今国会も厚生労働委員会と法務委員会、それから沖縄及び北方問題に関する特別委員会に所属しております。特に厚生労働委員会では与党理事を務めておりますが、現下の新型コロナウイルス感染症へのさまざまな分野での対策について熱心な議論が行われており私も質疑の機会を求め政府の姿勢を確認していきたいと思っています。特にワクチンの接種は地方自治体が実施主体となっておりますがなかなか予定が見えてこないなどのお声も地元でお聞きしますので時期の問題や自治体の裁量の範囲などをただしてまいりたいと思います。
さて去る3月11日、東日本大震災から10年の節目を迎えました。改めてお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りしそして被害に遭われた全ての皆さまに心よりお見舞い申し上げます。当日は新型コロナウイルス感染症対策のため国立劇場での政府主催の追悼式には出席がかないませんでしたが事務所にて2時46分にスタッフと共に黙祷をささげました。そして改めて災害に備えるために政治がしなければならないことを熟考いたしました。
先日も福島県沖で震度6強の地震もありました。また和歌山周辺でもここ最近、震度4、震度5弱の地震が頻発いたしました。皆さんも不安を感じておられることと思います。特に和歌山では南海トラフを震源とする大地震、津波が危惧されています。先日も防災関係の専門家のお話を聞きましたが、ある予測の手段を使って時期を想定すると2035年プラスマイナス10年という予測が出ているそうです。今年は2021年ですので早ければもう2、3年のうちに、いや明日にでもという時期に差し掛かっているということを私たちは覚悟しなければならないということです。
先述の東日本大震災では原発事故もありましたが多くの命が奪われたのは地震そのものよりも何といっても津波によるものでした。海岸線の多いわが紀伊半島も同様の事態が心配されます。先の予測から考えるとハードの整備には時間がかかりますので、さまざまな対策が整わないうちに地震が到来してしまう可能性があります。そこでまずはソフト、教育や訓練、そして避難路の確認や整備に今一度取り組まなければなりません。「釜石の奇跡」といわれる釜石東中学校の事例がいかに普段の取り組みが大切かということを物語っています。ぜひ、家庭で地域でそして職場でこのことを共有していただければとお願いいたします。
また災害には地震の他にもさまざまなものがあります。台風そして近年は線状降水帯といわれるような今まで経験したことのない集中的な降雨により土砂災害や河川の氾濫などが発生しています。風による被害も頻発しています。防災・減災、国土強靭化の必要性がより高まっており、これらに備えてこの3年間に「国土強靭化緊急対策」ということで計7兆円の予算が計上されました。
和歌山県はもとより全国各地からこの予算は大変役立ったのでさらなる追加、延長をしてもらえないかという声が多数寄せられ、その結果、今次の令和2年度第3次補正予算において「国土強靭化5カ年加速化対策」として5年で15兆円の予算方針が確定いたしました。例えば紀の川流域で堆積した土砂の浚渫(しゅんせつ)や河川敷の樹木の伐採などがこの予算で賄われることになります。これらによって降雨時の水位の低下を図ることができます。このように災害に向けて大きな対応と細やかな対応を組み合わせて財産と生命を守っていかなければなりません。これからも頑張ります。

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