母校を誇りに 和工の同窓開館改築工事完了

和歌山県立和歌山工業高校(和歌山市西浜)で行われていた同窓会館の改築工事がこのほど完了し、8日に記念式典が行われた。同窓会員らが、同校の野球部やラグビー部など体育クラブの生徒たちが見守る中、テープカットで完成を祝った。

同館は1974年、創立60周年を記念して同窓会が建築した後、県に寄付受納された。延べ床面積535・31平方㍍、鉄筋コンクリート造りの2階建てで、1階は資料室、2階は生徒の特別活動や体育クラブの合宿施設として活用されてきたが、老朽化に伴い2013年度から使用を中止。リニューアルの予算依頼を続けてきたところ、昨年9月に県教委と県公共建築課が大規模改修工事に着工し、先月末に完成した。

内装や電気、設備工事を行った他、玄関ホールには1954年度卒業生寄贈品の掛け時計を修復し、再設置。資料室には、1914年に同校が初めて生徒募集を行った際の告示板や、1936年度の時間割表など、秘蔵されていた歴史ある数々の備品を機械工作クラブ部員が厳選し、今月末まで展示している。

式典には松本泰幸校長、山田正彦同窓会長他同窓会員、県教委の今西宏行教育総務局長、県土整備部の星加正積都市住宅局長ら約20人が出席した。

今春同校に赴任した松本校長は「記念すべき式に立ち会えて光栄」とあいさつ。山田同窓会長は「4万人余りいる同窓生の交流の場や、在校生の拠点としても大いに活用してもらいたい。歴史が詰まった同窓会館で、先輩方の功績を肌で感じ、誇りを持ち、将来立派な社会人になってもらえれば」と在校生らに呼び掛け、機械科の3年生、笠松大祐生徒会長は「クラブの合宿などで活用していきます」と感謝の言葉を述べた。

式典後、出席者らに館内を案内した、創造技術科の3年生で機械工作クラブの木戸優介部長は「滑空機など、今では考えられないような技術が当時あったことのすごさや、物として残すことの良さを改めて実感した」と話し、古い校舎の模型などを眺めていた同窓生らも懐かしい当時の思い出話に花を咲かせていた。

来館は事前の問い合わせが必要。問い合わせは同校(℡073・444・0158)。

同窓会館を背にテープカットをする出席者の皆さん

同窓会館を背にテープカットをする出席者の皆さん

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