新たな表現を探究 絵画と陶芸の「三人展」

和歌山ゆかりの作家による絵画と陶芸の「三人展」が18日まで、海南市大野中の画廊ビュッフェファイヴで開かれている。

出品者は和歌山市の洋画家・土井久幸さん、岩崎奈美さん、かつて和歌山市加太で作陶していた東京の陶芸家・出口絵衣子さんで、3人ともに1976年生まれ。計約80点を紹介している。

土井さんは今回、「祈り」をテーマにした新たなシリーズを発表。神社を題材に、深遠な緑に包まれた大木を描いた「御霊が宿る木」をはじめ、木漏れ日が美しい参道、神楽を舞う巫女(みこ)の姿など、荘厳で神秘的な情景をクレパスで描いている。

制作にあたり県内のさまざまな神社に足を運んだといい、土井さんは「これまで描いてきたフランスの光とは違い、日本の色はどのようなものかを考えたときこの色彩に落ち着きました」と笑顔。「自分たちの歴史を語る上で重要な役割を担ってきた場所。祝う場である神社の風景で、明るい気持ちになってもらえれば」と話す。

岩崎さんは愛犬や愛猫、鳥などの動物、花など、命あるものを柔らかな筆遣いで描写。水彩やアクリルの作品が並び「私にとって、温もりを感じるものを描きました。皆さんと気持ちの共有ができればうれしいです」と話している。

出口さんの作品は、縄文土器に着想を得たモダンな新作「J」シリーズの他、突起や線のフォルムが独創的なオブジェや花入れなど。土井さんは「3人が新しい挑戦をしている展覧会。いい空間になっていると思います」と来場を呼び掛けている。

水曜休廊。午前10時から午後6時(最終日は5時)まで。問い合わせは同画廊(℡073・482・1994)。

それぞれの作品と土井さん㊧、岩崎さん

それぞれの作品と土井さん㊧、岩崎さん

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