見て楽しい陶芸作品 北島健司さん初の個展

和歌山市の北島健司さん(71)の初めての陶芸展が21日から25日まで、同市本町の本町公園ギャラリーで開かれる。趣味で陶芸を楽しんで約30年。念願だった個展を前に、北島さんは「陶芸に助けられ、支えられて日々を過ごしてきました。来ていただいた方に『楽しそう』『やってみたい』と感じてもらえればうれしいです」と話している。

教職に就き、小学校長などを務めた北島さん。陶芸との出合いは40歳の頃。声帯ポリープの手術をきっかけに、「仕事以外の生きがいづくりに」と始めた。和歌山陶芸クラブに入会し、休みの日には創作に励み、自宅に構えた「陶房どろんこ」で子どもたちや大人に指導。退職後は昼夜を問わず、時間を忘れて没頭した。県展にも出品し、4度の入選を果たしている。

退職後は、陶芸ざんまいの日々を思い描いていたが、脊柱管狭窄症を発症。20㌔もある土を提げるのは重労働で、長い時間座ったままでの作業は腰にも負担がかかるようになった。思うように体が動かず、緑内障で視野も狭くなる中、ゆっくりとした自分のペースで陶芸を楽しんできた。

父親が69歳で他界したこともあり、古希を迎えることに特別な思いもあったという。当初、昨年10月に開催を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期に。今回の感染再拡大にも迷いはあったが、体調を考え、これ以上延期はできないと「古稀+1記念」として開催を決めた。「コロナ禍での開催は複雑な思いもありますが、私を支え心を癒やしてくれた陶芸や、周囲への感謝の思いとともに、これまでの足跡を振り返りたい」とほほ笑む。

自分の好きな形や模様に自由に仕上げられるのが陶芸の大きな魅力といい、大切にするのは、誰もが「見て楽しい」陶芸。最近は白萩や青磁釉、絵付けの作品に力を注いでいる。

さまざまな手法を取り入れ、モチーフも魚や動物など遊び心たっぷり。今展では皿や茶わん、花器、オブジェなど約100点を展示予定。

北島さんは「陶芸に向き合っているときは無心になり、自分の心を緩めたり緊張させたり役に立った。これからも体力が続く限り、楽しみながら創作を続けたい」と話している。

午前10時~午後5時(最終日は4時)。

趣もさまざまな陶芸作品と北島さん

趣もさまざまな陶芸作品と北島さん

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