日台の未来の文化力 友好交流絵画展始まる

台湾の高校生と小学生による「台湾学校古典芸術作品&水彩画作品日本巡回展」が21日、和歌山市伝法橋南ノ丁の市民会館展示室で始まった。市立和歌山高校デザイン表現科生徒の作品も特別展示され、日台の未来を担う世代の文化の力が共演する国際交流の絵画展となっている。25日まで。

台湾との交流を推進している日台友好和歌山市議会議員連盟(遠藤富士雄会長)と日台文化芸術交流会(蔡欣珊会長)が主催し、世界華人工商婦女企管協会日本関西分会(洪麗華会長)が共催。

昨年9月に千葉、ことし1月に京都、2月に大阪で開かれてきた巡回展。当初は終了する予定だったが、同交流会は、コロナ禍で日台交流の機会が少なくなっている状況だからこそ、より多くの日本の人々に見てもらいたいと、継続を考えていた。

台北駐大阪経済文化弁事処の李世丙処長が、交流の深い和歌山市での開催を提案し、同議連に連絡を取り、遠藤会長らの尽力で実現した。

出品している台湾の学校は、雲林県立蔦松芸術高、新竹県錦屏小、同県新豊小の3校。蔦松芸術高は6年間の一貫した芸術教育を行う珍しい学校で、生徒は世界各地の古典芸術などを学んでいる。錦屏小では原住民のタイヤル族が伝統文化を学び、新豊小は国際教育と美学教育に力を入れている。

会場には約60点の作品が並び、デッサンや人物、風景、静物など多彩な内容。高校生の作品は、専門教育による高い技術がうかがえ、小学生の作品は、原住民の民族衣装や文化を描いたもの、日常生活の楽しい場面を表現した作品など、明るく鮮やかな色使いが目を引く。

市立和歌山高の特別展示では、日本社会への不安、多様性の大切さなど、イラストとともに生徒たちのメッセージが表現された作品などが展示されている。

21日の開会セレモニーでは、サックス奏者の岡なづきさんの独奏で「君が代」と台湾の「三民主義歌」が演奏され、同交流会の永野孝男特別顧問、李処長、井上直樹市議会議長、信夫秀紀副市長らがテープカットを行った。

永野特別顧問は「不安定な東アジア情勢の中で、日台の子どもたちが仲良く手をつなぎ、世界平和に貢献できるようになれば」と期待を寄せ、李処長は開催の実現に感謝し、「高校生の創造力や美術力、原住民の子どもたちの活力を感じてもらえる。今後さらに台日相互の交流を深めていきたい」と話していた。

入場無料。午前10時~午後5時(最終日は2時)。

 

テープカットで開幕を祝う永野特別顧問(中央)、李処長(その右)ら

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