国民として憲法に関心を 時代に即した改正議論が必要

門 博文

1月に召集された第204国会もゴールデンウィークを終え、いよいよ後半国会へと移ってまいります。現下のコロナ対策と並行して重要な法案審査が今後も会期末にかけて続きます。この中で国民投票法改正案が成立する見通しとなり憲法改正へ向けての手続きがやっと一歩前進しそうです。戦後、敗戦の焼け野原の中、連合国の支配のもと作られた現行憲法。実に七十余年に及ぶ長い間、改正されずに今日に至っています。もちろん、この憲法によってこの間、日本の平和や繁栄がもたらされたのは事実です。しかし現在の進化した時代や今後の世の中を想像すると憲法制定当時の状況とは時代が随分変わったと思います。従って私は守るべきものは守る、変えるものは変える、そして付け加えるものは付け加える、この3点で憲法改正の議論を国会は活発に行うべきだと主張してまいりました。「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」この三原則は守るべきではありますがその他については虚心坦懐、硬直した考え方ではなく柔軟にさまざまな角度から意見を出しそして議論するべきだと考えます。
去る5月3日、憲法記念日にJR和歌山駅前街頭で自由民主党和歌山県連と憲法改正県民会議との共催で街頭活動を行いました。強風の中、多くの聴衆の皆さんにお越しいただき私も車上より憲法改正の必要性とその意義を訴えさせていただきました。
前述しましたように時代の変化についてこれから人口激減社会を迎えるということ。戦後、右肩上がりに急速に増えてきたわが国人口は戦後の高度経済成長を支える大きな役割を果たしました。産めよ、増やせよ、この人口増が経済のエンジンになったということです。しかしながら日本の人口は2008年をピークに既に減少に転じています。人口構成の最も厚い、いわゆる団塊の世代が2025年には後期高齢者の年齢に達します。令和2年の人口動態統計の速報値を見てみますと出生数は過去最少の87万2683人。死亡数は138万4544人で差し引き約50万人の人口減となっています。2年で和歌山県一県分の人口が減少する時代を迎えているのです。このペースはしばらくの間どんどん増していきます。この点から考えても憲法改正の必要性をしっかり議論するべきではないかと思います。
また環境問題やデジタル技術等、戦後、誰もが予想できなかったような時代が進化しています。性、家族、夫婦、結婚観も随分と多様化しています。このような時代の変化を前提に時代にそぐう憲法がどんなものなのか、活発に議論するべきだと私は考えます。
次に憲法改正の手続きについてです。憲法改正については憲法第九十六条に「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」とあります。このように憲法改正は国民の過半数の賛成を持って初めて成立するのです。国会議員や特定の政党が数のチカラによって強引に改正できるものではありません。反面、金科玉条の如く憲法改正について議論しないというのも私は論外だと思います。さまざまな議論を国民の前に示し日本国民として憲法に関心を持ってもらい、そしてその憲法が時代に即しているのか、また時の権力をしっかりと監視できているのか、議論を深めていかなければなりません。その上で国民投票を行い賛否を問う。国民全体としてこの国の形づくりをしていかなければならないのです。
あと半年以内で私たち衆議院議員の総選挙が行われます。これからもふるさと和歌山のために働けるようしっかりがんばってまいります。

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