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和歌山さんぽみちプロジェクト

簡単に作れる「三宝柑マーマレード」

前号では、藩外不出の春柑橘(かんきつ)として200年の歴史を持つ「三宝柑」を取り上げた。近年、多様な春柑橘の出現で生産量が最盛期の8分の1程度まで減少している三宝柑。甘味はデコポンなどに劣るが、香りの良さを生かし、マーマレードなどの加工品や茶わん蒸しなどの料理の器として活用できるのが三宝柑の魅力。今週は「三宝柑マーマレード」の作り方を紹介したい。
作り方は簡単。まず、三宝柑をよく水洗いし皮を剥き、千切りにする(皮を5片程度に分け平らにすると切りやすい)。千切りにした皮を5分程度煮沸し、茹でこぼしザルに上げる。これを2回繰り返し、アク抜きを行う。
この間に、果実の小袋(じょうのう)と種を取り果肉を取り出しておく。アク抜きが終わった皮と果肉、砂糖を鍋に入れ20分程度煮詰めれば完成。砂糖の量は好みだが、筆者は三宝柑1個(250㌘)あたり60㌘とした(甘めがお好みの場合はもう少し増やしてもよい)。
出来上がったマーマレードを食べてみた。三宝柑ならではの香りが広がり、見た目の皮の分厚さから想像する硬さはない。また、酸味や苦みを感じることはなく、上品な味わいに仕上がった。食パンやヨーグルトに添えるなど、さまざまな食べ物との相性も良い。筆者は三宝柑1個を調理したが、そこそこのボリュームを維持。作り過ぎに注意されたい。
果実を食する以外の楽しみ方ができる三宝柑。まもなくシーズンは終わるが、ぜひ試してみてほしい。
(次田尚弘/和歌山市)