豊穣な香り爽やかに 中野BCで梅酒初仕込み

和歌山県海南市藤白の酒造メーカー、中野BC㈱は5日、6日の「梅の日」に向け、ことし初めての梅酒の仕込みを行った。

2020年に「和歌山梅酒」が地域の飲食品の地域ブランドを守るGI(地理的表示)に認定されてから初の仕込みとなった。同酒造が使用する梅は2L(4㌢)サイズ以上の「南高梅」。この日、大きいものでゴルフボールくらいの大きさの梅が約20万粒、契約農家から届いた。

425のコンテナに分けられた梅を、中野幸治代表取締役社長や梅酒杜氏の山本佳昭さんら10人らが、高さ4・2㍍、直径2・6㍍のほうろう製の熟成タンクの上から豪快に投入していき、工場内は梅の甘い香りがいっぱいに広がった。

同酒造の梅酒は、採りたての完熟梅のフルーティー感を閉じ込めた豊穣(ほうじょう)な味わいと甘い香りが特長。一般的に梅酒造りには硬い青梅が使われるが、同社では熟した木熟の梅を手摘みしたものを使用している。香り、味わいが濃厚で飲み応えのある梅酒に仕上がる。

山本杜氏は「順調に始まってほっとしている。ことしの梅は、しっかり生育したきれいな梅がそろっている。とても楽しみです」と話し、「生産者からお預かりした梅で造っていくので、これからは私たちの責任。しっかり管理して、いい梅酒を造り上げていきたい」と意気込みを語った。

漬け込み作業は、約1カ月行い、定期的に攪拌(かくはん)しながら梅のエキスを抽出していく。この日漬け込んだ梅酒はことしの12月3日にヌーボーとして市場に出回る。

届いたばかりの梅を投入

届いたばかりの梅を投入

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