現場のニーズに柔軟に対応 ワクチン推進で「日常」回復を

門 博文

1月に召集された第204回国会は去る6月16日をもって会期末を迎えました。150日間の会期中、さまざまな議論が国会の中で行われましたがその中心になったのはやはり新型コロナウイルス感染症に関することでした。
私が所属する厚生労働委員会も法案審査の傍らこの新型コロナウイルス感染症の感染状況やまた現下に進捗(しんちょく)していますワクチン接種に関する質疑が熱心に行われ、その質疑時間は今国会中、実に100時間を優に超えるものとなりました。分科会の尾身会長や国立感染症研究所の脇田所長も頻繁に参考人として参加された中、国会での新型コロナウイルス感染症の議論の最前線に参加できたことは私の政治活動にとって大変、貴重なものでありました。感染拡大当初から言われていましたように「未知のウイルス」を正しく知り、そして正しく伝えるという点において一部のマスコミによる「単に恐怖心を煽る」ということはいかに愚かで無責任かということを改めて痛感した次第です。今後も政治や行政が先頭に立って正しい情報、正しい指針をわかりやすく示していかなければなりません。
その点でワクチン接種についてですが当初は副反応やアナフィラキシーなどが大いに懸念された時期がありました。多くの方が情報不足の中、接種を受けようか止めようかお悩みになられた方が多かったのも事実です。しかし欧米から先行してワクチン接種が進む中、接種者数が上がるとともに当初の懸念であったこともデータをもって安全性が確認されました。そのもとに今日、わが国においてもワクチン接種が安心して順調に進んでいます。長く続いてきた新型コロナウイルスとの戦いに「ワクチン」といういちるの光が見えてきました。治療薬が開発されない中、今はこのワクチンを2回接種するということが最善の策です。
ここ和歌山県では全国屈指のスピードでワクチン接種が進んでいます。和歌山市においては市内約300カ所の医療機関と3カ所の集団接種会場を併用してご高齢の方の接種が実に週3万人のペースで進んでいます。今後、基礎疾患をお持ちの方、一般市民の方、そして職域での接種にスムーズに移行できるよう私は尾花市長の要請のもとワクチンの確保に関して国に積極的に働きかけています。最前線で接種を行っていただいている医療関係者の皆さまのご活躍があってこそ前述のとおり週3万人の割合で接種を進める体制ができています。いわゆる「打ち手」の体制は整っているのです。あとはそれに見合う量のワクチンを安定的に確保し続けられるかどうかが重要になります。当初は階層別の接種を2回、それぞれ完全に終わらせてからでないと次の階層に移れないという国の方針でした。しかしそれではペースにロスが生まれるとして国に直接働きかけて継ぎ目なくスムーズに進められるようにワクチンを確保することができました。和歌山が全国有数のペースでワクチン接種が進んでいることが国において高く評価され、さらに全国の模範となってもらいたいという趣旨で全面的な協力を得ることができました。
私はこのワクチン接種に関する国の対応について一点、強く感じでいることがあります。こういう言い方をするのははばかられますが国などの行政はとかく「縦割り」「前例主義」「硬直的」と言われます。しかしことこのワクチン接種については現場で起こっていること、現場のニーズについて柔軟に迅速に対応する姿勢を見て取ることができます。ある意味「朝令暮改」も善とする姿勢が見えるのです。その甲斐もあって一日100万人接種も難しいと言われていた中、現在、実に一日150万人に迫るところまでペースが上がってきています。コロナ禍に見えたいちるの光、ワクチン接種が順調に進み一日も早く「日常」を取り戻せるように私もしっかり頑張ります。

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