県内の衆院定数1減へ 国勢調査受け試算

総務省が25日に公表した2020年国勢調査の速報値に基づき、人口比を反映しやすい新たな計算方式で衆議院の議席配分を試算したところ、和歌山県内の定数は現行の3から2に減少することが分かった。今秋に見込まれている次期衆院選は現在の議席配分で行われ、定数減は次々回からとなる見通し。

16年に成立した衆院選挙制度改革関連法では、20年の国勢調査結果に基づき、小選挙区数を「アダムズ方式」で配分すると決定。同方式は、人口の少ない県にも必ず1議席を配分しつつ、人口比をより正確に反映できるとされている。

速報値に基づく試算では、小選挙区の定数289の配分は5都県で増加、10県で減少する。東京が5増の30、神奈川が2増の20となる他、埼玉、千葉、愛知は各1増、和歌山と滋賀、宮城、福島、新潟、岡山、広島、山口、愛媛、長崎が各1減。小選挙区の「1票の格差」は、現行の最大2・094倍から1・695倍まで縮小する。

比例代表176議席の配分にも増減が生じる。全国11ブロックのうち東京(現在の定数17)が2増、南関東(同22)が1増で、東北(同13)と北陸信越(同11)、中国(同11)は各1減となる。

新たな配分では、和歌山をはじめ地方の議席が減る一方、首都圏の議席が大きく増えるため、「東京一極集中」との批判が予想されるとともに、議席減となる地域に現職を多く抱える自民党を中心に反発が強まる可能性もある。

11月に公表される国勢調査の確定値を基に正式に定数配分が計算され、衆院議員選挙区画定審議会が新たな区割り案を政府に勧告し、政府は区割りを変更する公職選挙法改正案を国会に提出することになる。

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