WAKAYAMA NEWS HARBOR
和歌山さんぽみちプロジェクト

香りと甘さが融合「オレンジピール」

前号では八朔の特徴を活かした加工品の一つである「フルーツビール」の魅力と作り方を取り上げた。八朔の果実は熱を加えると苦みが増すためジャムなどへの加工は不向きだが、分厚く香ばしい香りがする果皮を活用した加工品がある。今週は柑橘(かんきつ)の香りと甘さが融合したお菓子「オレンジピール」とその作り方を紹介したい。
ピールとは柑橘の果皮を砂糖水で煮詰め、それを乾燥させたドライフルーツの一種。作り方はむいた果皮の内果皮(白い部分)をできるだけ包丁で切り落とした上で、5㍉幅の短冊切りにする。
次に沸騰したお湯に果皮を入れ1分程度ゆで、流水で流し水気を切る。これを2回繰り返す。続いて、鍋に水と上白糖を入れ中火にかけ、上白糖が溶けたタイミングで果皮を入れ、砂糖水が半分程度になるまで10分程度煮詰める。柑橘2個分の果皮を調理する場合、水100㍉㍑につき上白糖100㌘が適量。
煮詰まった果皮をクッキングシート上に一つずつ並べ粗熱を取り、ポリ袋に果皮を入れ、グラニュー糖をふり混ぜ(30㌘程度)、全体にまぶす。最後にラップをかけず冷蔵庫で30分程度冷やし、皿に盛り付ければ完成。
市販されているピールと比べ、湿度が残り柔らかい食感であるが、柑橘の爽やかな香りと砂糖の甘味が口いっぱいに広がり、苦みは感じられない。柑橘の素材そのものを体感できるお菓子で、子どもから大人まで楽しめること間違いなし。
柑橘を余すことなく、ほぼ全てを利用しおいしく食すことができる方法の一つ。ぜひ、ご家庭でピールを作ってみては。
(次田尚弘/和歌山市)