ワクチン予約3割抑制 国の供給減で和歌山市

新型コロナウイルスワクチンの国からの供給量が減少していることを受け、和歌山市は15日、26日の週から1回目の接種の予約受け付けを約3割抑制すると発表した。ワクチン接種記録システム(VRS)に基づき、国は未接種のワクチンが多いとして市への割り当てを削減しており、尾花正啓市長は同日の定例記者会見で「余っている、不要だと扱われるのは非常に心外。一方的な削減は不合理だ」と述べた。

市へのワクチン供給量は、6月21、28日の週の配分116箱(1箱195瓶、1瓶は6人分)をピークに、7月以降は大幅に減少。7月19、26日の週は20箱にとどまっている。

8月2、9日の週は、人口に応じた「基本計画枠」で21箱の配分予定だったが、国は未接種のワクチンが多いとの理由で19箱に削減。県が調整枠を使って1箱上積みし、20箱となったが、現状の接種ペースではワクチンが不足し、予約受け付けの抑制が避けられなくなった。

尾花市長は、2回目の接種日まで決めなければ予約を確定しにくいことや、接種業務が多忙な中、各医療機関や保健所でのVRSへの入力作業が遅れている現状があるとし、VRSに基づいてワクチン供給量を削減するのは実態にそぐわないと指摘した。

市は国に対し、ワクチン供給量の安定的な確保と、VRSで供給量を判断しないよう要望する。供給量が改善されなければ、8月9日の週からは予約の5割抑制が必要になり、市が希望者への接種完了のめどとしてきた9月末の達成は困難としている。

集団接種については、全体に占める数が少ないため、予定通り行う方針。17~24日に市内3会場で実施する6600人の枠は、すでに定員に達している。

 

ワクチン供給量の削減に不満を示した尾花市長


 


高齢者の感染が大幅減 6月以降は同居家族も陰性

市内の感染状況は、4月には高齢者施設やカラオケ喫茶などでのクラスター(感染者集団)発生により多かった65歳以上の高齢者の感染が6月以降は大幅に減少。陽性者に占める高齢者の割合は、4・5月が736人中219人で29・8%、6・7月は57人中2人で3・5%となった。

陽性者と同居する高齢者が感染する事例も以前は多かったが、6月以降の陽性者と同居する高齢者10人はいずれも感染しなかった。

市内の高齢者のワクチン接種率は、13日現在で1回目が83・8%、2回目が67・6%で、いずれも国、県の平均を上回っている。

尾花市長は「ワクチンの効果が徐々に表れているのではないか」と話した。

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