毎日使う場優しい空間に 和大のトイレ改装

和歌山大学(和歌山市栄谷)で、「すべての人にやさしい空間」をテーマに改装工事が行われていた東1号館ピロティ内にあるトイレが完成し、このほどお披露目会が開かれた。㈱賃貸住宅センター(同市美園町)の塚本治雄代表取締役社長が、学生支援のために寄付を申し出、改装に至った。

一般的に女子トイレは赤、男子トイレは青のサインが多い中、ジェンダー平等にも配慮し、茶色を採用。システム工学部の学生がデザインを施した。同大の男女共同参画推進室の金川めぐみ室長らがアドバイスし、男女ともに個室には一つずつフィッティングボードを設置。金川室長は「更衣室はあるけれど、性的マイノリティーや性別違和の方がプライベートな空間でより快適に着替えられる」と意図を説明し、「毎日使うトイレだからこそ、優しい空間になれば」と願う。

建物内には、男女を問わず利用できる特設のパウダールームも増設。繭のような丸みを帯びた同ルームには、隣の人の顔が見えないような角度で鏡が設置されるなど、プライバシーにも配慮する他、授乳室としても使用できる更衣室も併設した。

この日、新しくなったトイレ前で開かれたお披露目会で、伊東千尋学長は「クオリティーオブライフを向上させる、大学の魅力の一つになった」とあいさつ。塚本社長が伊東学長に竣工写真を集めた写真ブックを贈呈した。

同大の藤原洋二施設整備課長は完成したトイレについて、「用をたすためだけでなく、価値をたすトイレになるよう、紀州材の間伐材をメインに使用し、間接照明に工夫するなど、高級感あふれるホテルのようなイメージ」と説明した。

お披露目会の後、開放されたトイレとパウダールームを初めて利用した同大の教育学部1年生、坂上葵さん(18)は「すごくきれいで、高級感のある異空間に驚きました。木のつくりで居心地も良く、化粧直しなどもしやすい」と喜んでいた。

 

写真ブックを手に伊東学長㊧と塚本社長

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