和大生が茅葺きPJ おむすび屋オープンへ

和歌山大学むすび屋弥右ヱ門茅葺(やうえもんかやぶ)きプロジェクトチーム(福美裕子代表)は9月16日まで、クラウドファンディング(CF)サイト「CAMPFIRE(キャンプファイアー)」内で、地域の魅力を発信する「茅葺きのおむすび屋」をつくるため、300万円を目標に協力を呼び掛けている。

同プロジェクトは、同大の地域協働自主演習という授業の中から誕生。昨年ユネスコ無形文化遺産にも選定された茅葺き屋根に着目した約25人のメンバーが、かつらぎ町志賀地区に残る茅葺き屋根の24軒の一つ、古民家ゲストハウス「古都里志高庵」を中心に活動している。

協働先の㈲イペリックスの豊原弘恵代表によると、学生らのプロジェクトは元々、ゲストハウスプロジェクトだったが、ゲストを呼ぶため地域の魅力を発信する際、喫緊の課題である少子高齢化の問題が見えてきたという。豊原さんは「問題がいくつも絡み合っているので、多方面からの解決が必要」と話し、学生らが主体となって、若者の移住促進を目指すさまざまな取り組みを行っている。

移住の鍵となる収入源を確保するため、今回のクラウドファンディングで集めた資金は、地域の魅力を発信する茅葺きのおむすび屋の実現に活用される。地域のきれいな水で育つ米などの食材はもちろん、建材も茅には生石高原のススキ、壁には地域のスギの無垢材、塗料には同町の伝統的な柿渋塗装を施すなど、地域のものにこだわり、「過去と未来、人と人とを結びたい」との思いで、県産の食材をぎゅっと詰め込んだおむすびを提供する。

豊原さんは県外出身者がほとんどを占めるメンバーの活動について、「『100年後も存続するような未来のふるさとをつくりたい』との熱い思いを胸に、いろんな人を巻き込みながら成長し続けているプロジェクト」と評し、「大学発で世の中を動かしていくすごいプロジェクトが和歌山にあることを知ってもらい、いずれは少子高齢化が著しい全国の地域にとってのモデルケースになれれば」と願っている。

生石高原で茅刈りをするメンバー

生石高原で茅刈りをするメンバー

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