「ここぞ」の泳ぎを 南出選手に恩師がエール

和歌山県海南市出身の南出大伸(たいしん)選手(25、木下グループ)が5日午前6時半から、東京のお台場海浜公園で行われる東京五輪の男子10㌔水泳オープンウオーター(マラソンスイミング)に出場する。南出選手の恩師で、海南市民温水プールの𠮷田儀人館長(66)は、最後の直線が勝負だといい「大伸は水温が高いのは得意。面白い結果になるかも」と教え子の晴れ舞台を楽しみにしている。

南出選手は幼い頃に水泳を始め、巽小、巽中学校を卒業。市民温水プールや海南高校の水泳部、日体大で技術を磨いてきた。もともと競泳の自由形、長距離が専門だったが、大学進学後、海や川、湖など自然水域で10㌔を泳ぐオープンウオーターに取り組んだことをきっかけに、競技を続け、2018年に日本選手権で初優勝。ことし6月にポルトガルで行われた五輪最終予選で6位に入り、五輪出場をつかんだ。

𠮷田館長は南出選手が小、中学生の頃、同市民プールで指導。海南高校でも水泳部を指導していたことから、南出選手は同高校へ進学している。市民プールでは、南出選手の当時を知るスタッフも数人勤務。南出選手を応援しようとメッセージが掲げられている。

𠮷田館長は「大伸はしょっちゅう怒られていた。『こうしろ』と言ってもしない」と当時の様子を笑顔で振り返る。「だけど休んだことあったかな。ここぞというときに強かった」という。同施設のスタッフらも「とても明るい子ですね」と話す。

先日、南出選手の出身校である巽小、中学校の生徒や地域の人らが書いた寄せ書きを、𠮷田館長から南出選手に手渡すと、「ありがとうございます」と喜んでいたという。𠮷田館長も寄せ書きに「体調管理」とメッセージ。「水温で低体温症になったりする競技。気を付けて本番に臨んでほしい」とエールを送った。

競技は10㌔の周回コースを約2時間泳ぐ。5日午前9時からNHK・Eテレ1で録画放送される。

「広報かいなん」の南出選手の特集記事をうれしそうに眺める𠮷田館長

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