WAKAYAMA NEWS HARBOR
和歌山さんぽみちプロジェクト

極早生のトップバッター「YN26」

前号では、糖度が高く香り豊かな極早生みかん「ゆら早生」を取り上げた。今週は、ゆら早生を親とする新品種「YN26(ワイエヌニジュウロク)」を紹介したい。
YN26は2001年に県果樹試験場で、ゆら早生と紅まどかを交配させてできた、ウンシュウミカンの新品種。着色や減酸が早く、早期の収穫が可能。ゆら早生よりも成熟が早く、露地栽培でも9月中旬には収穫でき、ハウス栽培であれば8月上旬から出回る。12年に品種登録されてから約10年。ゆら早生よりも一足早く、極早生みかんのトップバッターとして期待が集まる、県のオリジナル品種である。
見た目は、ゆら早生と瓜二つだが、外皮の着色がやや早く黄色の部分が多め。皮に張りが出るほど実がよく膨らみ、ゆら早生よりも外皮がむきづらい印象。じょうのうは薄くて食べやすく、糖度が高く減酸が早いことから、極早生みかんに見られる酸っぱさはなく、甘味が優勢。酸味が苦手な方には、ゆら早生よりもこちらをお薦めしたい。
YN26には、ゆら早生や宮川早生のような名称がなく、新品種の研究段階で機械的に付けられたであろう名称のまま。ネット通販などではこの名称で販売されているケースが多いが、市場では生産者が独自に名付けた愛称で出回っている。
例えば、ゆら早生よりも早く収穫できることから「ゆらのさきがけ」、産地である紀州と親品種の名前をかけた「紀のゆらら」、ゆら早生の子どもであることから「由良子」と名付けられるなど、生産者それぞれの思いが込められている。
ハウス栽培のものは、1玉100円から150円程度で販売。極早生みかんの新しい味を試してみては。(次田尚弘/和歌山市)