病床逼迫続く、予防を 那智勝浦で院内感染

和歌山県は24日、県内で幼児から90代の90人が新型コロナウイルスに感染し、那智勝浦町立温泉病院で院内感染が発生したと発表した。病床560床に対し入院患者は525人(うち重症21人)で、使用率は93・8%に達している。

90人の保健所管内別内訳は、和歌山市40人、海南3人、岩出8人、橋本6人、湯浅3人、御坊6人、田辺14人、新宮6人、県外4人。

同病院の院内感染は、入院患者3人と看護師1人の陽性が確認され、入院患者と職員合わせて335人の検査が続けられている。

6月から入院している患者に発熱があり、PCR検査をしたところ陽性だったのが発覚の発端だが、他の患者の発症日の方が早かったと推定されている。

高齢の入院患者が中心のため、症状があっても新型コロナを疑いにくい状況があり、県福祉保健部の野㞍孝子技監は「どの病院でも(院内感染は)発生しうる」として注意を呼び掛けた。

発表済みのクラスター(感染者集団)では、田辺市のバー関係の感染者が1人増えて計28人、田辺保健所管内の法要関係が1人増の10人、和歌山市の保険代理業関係が1人増の6人となった。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体で過去最多を更新する59・4人。保健所管内別でも田辺の75・7人と和歌山市の67・2人が過去最多となり、最少の海南でも22・7人の高い数値が続いている。

県内の感染者は累計4133人。変異株スクリーニング検査による陽性者は累計1943人、うちデルタ株が671人(44人はゲノム解析で確定)となった。

野㞍技監は、10代の若い患者でも症状が強く出る例が増えているとし、「まず感染予防が大事と強く申し上げたい」と述べ、感染リスクの高い行動をとらないよう求めた。

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