市立学校に検査キット 和歌山市が感染対策

新型コロナウイルス感染拡大防止の一環で、和歌山市は9月1日の始業式までに、市立小中高・義務教育学校71校に簡易の抗原検査キットを配布する。市内の直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は8月25日時点で72・5人と過去最高を更新し、50歳未満の陽性率が急増。学校で感染が広がることが懸念される中、早期発見と拡大防止につなげる。

26日の定例記者会見で尾花正啓市長が発表した。

市は県と足並みをそろえ、24日までだった市立小中の夏休みを31日まで延長。9月以降の対応は、臨時休校にした場合、仕事を持つ保護者が家庭で子どもを見ることができず、学童保育の利用が集中するなどの課題があるとし、1日から新学期を始める方針に変わりはない。

授業は、対面とオンラインの双方で受けられるハイフレックス型などを検討するとしている。

学校での感染拡大防止のため、登校前に発熱などの風邪症状が出た場合は直ちに医療機関を受診してもらい、登校後に症状が出た場合は検査キットを使う。検査キットは全校合わせて1500回分を配布する予定。

小中学校の修学旅行は全て県内で実施し、9月前半に出発予定の12校は、日程を延期する。

市は、世代別のワクチン接種率と陽性者の比率を7月28日~8月10日、11日~24日の各2週間で比較。65歳未満の各世代の接種率は2週間で10~12%上昇しているが、1万人当たりの陽性者数は、12~29歳で12・4人が24・2人に、30~39歳は8・0人が14・8人に、40~49歳は4・6人が12・0人に、いずれも大きく増えた。

ワクチン接種率の上昇の一方で感染者が増加していることについて尾花市長は、感染力が強いデルタ株と、近隣の大阪をはじめ感染が急拡大する都市部の影響を理由に挙げた。

千葉県で新型コロナに感染した妊婦の入院先が見つからず、療養中の自宅で早産となり、赤ちゃんが死亡したことを受け、市は妊婦と配偶者らのワクチン優先接種を実施する。市内7カ所の協力医療機関で受け付ける。

問い合わせは市新型コロナワクチンコールセンター(℡0570・092・055、午前9時~午後5時)。協力医療機関は次の通り。

やましたレディース・マタニティクリニック(℡073・426・8111)▽こうざき産婦人科(℡436・4550)▽月山チャイルドケアクリニック(℡476・2300)▽かわばた産婦人科(℡453・0600)▽かさの医院(℡471・1197)▽はまだ産婦人科(℡462・0341)▽葵町クリニック(℡432・7876)

 

学校での感染抑制が必要と話す尾花市長

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