行方不明者発見 ベル号と田伏さんに感謝状

行方不明になっていた高齢女性を無事に発見したとして、和歌山東署は25日、嘱託警察犬のベル号(ラブラドルレトリバー、雌3歳)と、嘱託警察犬所有者および指導手の田伏和子さん(60)の功労をたたえ、感謝状を贈呈した。

同署によると、今月8日午前1時ごろ、同署管内に住む高齢女性の家族から「女性の行方が分からない」などと届出があった。署員や家族らが懸命な捜索活動を行うも発見できず、同署は午前3時40分ごろ、有田市に住む田伏さんに出動を依頼した。約1時間後に同署に到着した田伏さんは、ベル号に女性が普段使用しているパジャマを嗅がせて捜索を開始。ベル号は女性宅から150㍍ほど離れた田んぼ内を迷うことなく進み、わずか10分ほどで女性を発見した。

同署で行われた贈呈式では、出納延計(すいどうのぶかず)署長から田伏さんに感謝状が、ベル号には5種類のジャーキー詰め合わせが贈られた。出納署長は「田んぼの中は盲点で、『まさか』と驚いた」と振り返り、「女性にけがもなく、無事に発見していただき感謝している」と伝えた。

田伏さんは40年以上訓練士として活動しており、1986年からは指導手として、これまでに13頭もの嘱託警察犬の指導にあたってきた。2019年から嘱託警察犬となったベル号とは生後60日ごろから一緒にいるといい、「集中力が少ないので時間がかかればかかるほどやる気がなくなってしまう」とよく知るベル号の性格を説明した上で、今回の手柄については「明け方で人けが少なかったので、においが取りやすかったのかな」と分析。「おばあさんが見つかって本当に良かった」と安堵(あんど)の表情を見せ「また頑張りましょう」とベル号に優しく呼び掛けていた。

 

出納署長㊨から表彰を受けるベル号と田伏さん

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