訪問診療などに 紀美野で小型EV車の実証

トヨタカローラ和歌山㈱(西川直人代表取締役社長)は、高齢化が進む和歌山県紀美野町長谷毛原地区で、超小型EV「C+pod」の有効性を探る実証実験を9月1日に始める。

同地区は独居や高齢者夫婦のみの世帯が多く、車の運転ができない人も多い。ガソリンスタンドや商店も少なく、コミュニティバスの運行本数も少ないため、通院や買い物などが高齢者の負担になっていた。同社は、住み続ける町づくりに役立てる活動に取り組むため、「トヨタ・モビリティ基金と日本自動車販売協会連合会による自動車販売店各社の地域支援活動に対する助成事業」を活用し実施する。

同町の長谷毛原診療所に充電スポットを設置。対象は地域住民、長谷毛原診療所の医師、看護師の訪問診療、たまゆらの里の利用客で、曜日ごとに利用対象者を設定する。

同車は、2人乗りで全長約2・5㍍×全幅約1・3㍍×全高約1・5㍍と、軽自動車よりも小さい。電気で走行し、約5時間の充電で150㌔の距離を走行できる。普通充電も可能で、自宅のコンセントに接続できる。車内にコンセントも設置。災害時など給電も供給可能となっている。

最高速度は60㌔となっているため、高速道路、バイパスは走行できない。シフトレバーをボタン式にするなど、車内は圧迫感を感じさせない工夫を随所に取り入れている。

トヨタシェアのアプリを採用しスマートフォンから予約、施錠ができる。同地区の弓庭給油店への電話でも受け付けができる。

27日に試乗会が行われ、地域住民らが乗り心地を体験した。森下澄子さん(83)は「窮屈な感じがなくて、とても乗り心地が良かった」と笑顔。宗和宏禎さん(83)は「普段ミッションの軽トラにも乗っているが、操作がはるかに簡単」と話した。

実証実験の期間は2カ月。今後、利用者へのアンケートを行い意見を聞く。

ケーブルをコンセントに接続して充電

ケーブルをコンセントに接続して充電

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