中尾さんと和大付属小 キワニス賞に輝く

社会奉仕団体「和歌山キワニスクラブ」は24日、地域社会貢献活動に取り組んだ個人や団体をたたえる「第27回キワニス賞」の表彰式を和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国で行い、1個人1団体を表彰した。個人は農林水産省近畿農政局の職員で、食と環境教育アドバイザーとしてボランティア活動を続ける海南市の中尾卓嗣(たかつぐ)さん(59)、団体は和歌山大学教育学部付属小学校(和歌山市吹上、北垣有信校長)が選ばれた。

中尾さんは1999年から20年以上にわたり、ボランティアで講演活動を続けている。身近な食と環境をテーマに全国各地で開かれてきた講演会は、約1330回にも上る。パンダなど動物のふんの標本を使い、動物の体の構造や食べ物との関係を紹介し、「うんち博士」の愛称でも親しまれるなど、子どもたちの心身の健やかな育成に尽力。子どもだけでなく、保護者や教職員、医療関係者らを対象に、「食育」の大切さも伝えている。

和大付属小学校は、難病で失明した和歌山市職員の山﨑浩敬(ひろたか)さんがバス通勤する際、10年以上にわたって歴代の児童らが乗降車のサポートをするなどバトンを受け継いできた。

式では大岩徳成会長が「キワニス賞の精神に添う活動に尊敬と称賛をささげたい」とたたえ、中尾さんと同校を代表し出席した辻本和孝副校長に表彰状と支援金(個人10万円、団体20万円)を手渡した。

中尾さんは支援金を全額寄付するとし、同校の辻本副校長は「図書室に設置する本棚を購入したい。山﨑さんと児童らの物語を絵本化し、心温まる絵本を集めた一つのコーナーを作りたい」と話した。

同校からはサポートの中心となった西前3姉妹の末っ子、西前友雅(ゆい)さん(8)と、河島香音(かのん)さん(10)も出席。西前さんは「お姉ちゃんがやっていたからやってみた。表彰されると思ってなかったからびっくりした」と笑顔。河島さんは「みんなで受賞できて良かった。これまでと同じように役に立てることを続けていきたいし、卒業後は後輩にサポートを続けてもらいたい」と話していた。

表彰状と支援金を手に大岩会長㊧と中尾さん

表彰状と支援金を手に大岩会長㊧と中尾さん

檀上で話す河島さん㊥と西前さん㊨、辻本副校長

壇上で話す河島さん㊥と西前さん㊨、辻本副校長

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