ストラディバリウス演奏 9月に寺下さん

和歌山市出身で国際的に活躍するバイオリニストの寺下真理子さんが9月28日、同市伝法橋南ノ丁の市民会館小ホールで「和洋折衷~故郷を想ふ~」と題したコンサートを開く。寺下さんは、コロナ禍をきっかけに故郷を大切に思う気持ちがより強くなったとして、「皆さんに明日への活力となるような音楽を届けたい」と話している。

いつも温かく迎えてくれる地元の人に音楽を楽しんでもらいたいと企画。その思いに共感した白寿生科学研究所が特別協賛し、実現した。

寺下さんは、5歳でバイオリンを始め、東京藝術大学卒業後、渡欧し、ブリュッセル音楽院修士課程を修了。国内外で演奏活動を展開し、2015年初リリースした「アヴェ・マリア」(キングレコード)は、高音質ハイレゾ音源配信サイトで全ジャンルの中から週間1位を獲得した。

同コンサートで寺下さんは、バイオリニストが憧れる名器ストラディバリウスを弦楽器専門店の日本ヴァイオリンから貸与され、初演奏する。「武者震いがした。まだ驚いている自分がいる」と夢の楽器に気持ちが高揚しているという寺下さん。その深い音色は素晴しく、これを機に音楽家としての成長と表現の幅をさらに広げていきたいと意気込んでいる。

第1部では、広く知られているクラシックの名曲を中心に、寺下さんとピアニストの北端祥人さんが、エルガー「愛の挨拶」、ブラームス「ハンガリアン舞曲第5番」、バッハ「G線上のアリア」などを演奏。第2部は、和楽器奏者の尾上秀樹さん(中棹三味線)と大川義秋さん(筝)らと協演。寺下さんは「自分の思い描いた世界観を出すため、選曲と編曲に細部までこだわった」と話し、民謡「まりと殿様」や岡野貞一「ふるさと」、モンティ「チャルダッシュ」など西洋と和のコラボレーションを披露する。

寺下さんは「和歌山は、私にとって特別な場所。幸せな時間を皆さんと共有できたらうれしい。ストラディバリウスの音色もぜひ聴きに来てください」と笑顔で話していた。

午後2時開演。チケットは3500円(全席自由席)で、同館や県民文化会館などで発売中。

問い合わせは和歌山音楽愛好会フォルテ(℡073・422・4225)。

寺下真理子さん©TakuyaOkamoto

寺下真理子さん©TakuyaOkamoto

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