記述式で課題も 全国学力テスト県結果

和歌山県教委は8月30日、小学6年生と中学3年生を対象にした、令和3年度全国学力・学習状況調査の結果を発表した。小学校は国語、算数ともに全国平均並みで全国15位だったが、中学校は国語、数学ともに全国平均を下回り、全国43位となった。記述式問題は小中学校の全教科で全国平均を下回り、特に中学国語では自分の考えやその理由を書くこと、中学数学では事象を解釈し数学的に説明したり表現したりすることなどへの課題が挙げられた。

2年ぶりとなった本年度の全国学力テストは5月に実施され、県内の小学校は225校の約6960人、中学校は116校の約6440人が受けた。

県内公立校の小学国語は65点(全国65点)で全国16位、算数は70点(70点)で13位、中学国語は61点(65点)で45位、数学は55点(57点)で38位。小学校の国語A(2019年度からAB区分を統一)は2014、2016年度は最下位だったが、2017年度から継続し、今回も全国平均と同程度の結果となっている。

教育庁学校教育局義務教育課の鍋田泰延課長はこの結果を受け、「今後は小学校で築いた学力の土台の上に中学校でさらに積み重ね、和歌山の子どもたちに自信と誇りを持たせられるよう、県教委、市町村教委、学校が一体となって全力で学力向上に取り組みたい」と述べ、今回の課題から分かったことを授業の改善に生かしてもらうため、10月には中学校の教員を集めた研修会を予定しているという。

テストの他、全60項目の質問紙調査の結果も発表され、「自分には、よいところがあると思いますか」といった自己肯定感を問う質問に対し、「当てはまる」「どちらかといえば、当てはまる」と答えた割合が小中学校ともに全国平均を下回った。同課の大堀和美(かずよし)副課長は、全国的にも下がった結果にふれ、「コロナの関係でいろんな人との接点が減ったのが原因かと思う」などと示唆。「学級活動や職場体験など、地域の人との関わりなどを学ぶ取り組みも大切にしていきたい」と話した。

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