鳥獣被害防止へ集中捕獲 ジビエ肉の有効活用も拡大

鶴保 庸介

先日、令和2年度の鳥獣被害防止に向けた全国一斉集中捕獲キャンペーンの報告を受けました。長らく鳥獣対策をしてきましたが、被害額そのものは減っていても、現場の実感としての被害は減少せず、史上初の試みとしてこのキャンペーンが始まりました。
結果、全国で捕獲目標をおおむね達成できたようで、和歌山県でもほぼ目標達成との数値が出ています。捕獲に尽力いただいた皆さん、キャンペーンにご協力いただいた皆さんに改めて感謝を申し上げたいと思います。
ただ、今回の数値の傾向として、①捕獲が減少し被害も減少、②捕獲が増加し被害も増加、③捕獲が増加し被害は減少、の3つのパターンに分かれました。
各県で被害状況が異なり、キャンペーンより前に捕獲を始めている地域、今回のキャンペーンスタートに合わせて本格的に捕獲を始めた地域等あるため、捕獲量が特別増えたり横ばいであったりと地域によって数値のばらつきがあったようですが、捕獲量が増えてるのに被害額も増えるというのは、県外からの鳥獣の流入といった原因も考えられ、今回のキャンペーンの意義を改めて実感させられました。
和歌山県は、捕獲が増加し被害は減少したようなのでとりあえず一安心ですが、今後も生息調査を実施し、加害個体を確実に捕獲できるよう点検し、効果的な場所での捕獲を推進していく予定です。
加えて、今年度改正された鳥獣特措法でもジビエ肉の「有効活用」を明記したことをもって、ジビエ肉を消費者に広げていることもお知らせせねばなりません。
JR東日本クロスステーションが経営するBecker’s等で7月中旬から9月30日(予定)まで、ロッテリアでは9月下旬から年内いっぱいを予定としジビエバーガーを販売しています。国産ジビエ認証制度を取得した施設で、適切に処理された鹿肉を使用しているため、消費者に安心・安全のジビエ肉が使用されていると知っていただくこと、また提供されているジビエ肉がどのように捕獲されているのかについて知っていただく機会になるのではないでしょうか。
これからは東日本だけでなく西日本、九州、四国へもこの取り組みを広げ、全国の皆さんに広くジビエに触れる機会ができるよう力を注いでいかねばなりません。
田辺界隈では有名なジビエレストランが所在しています。こうした成功(?)事例が全国に広がってこその〝共生〟だと信じて、引き続き取り組みを行ってまいります。

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