若者の感染が増加 ワクチン接種呼び掛け

和歌山県内の新型コロナウイルス感染状況で20代以下の感染増加が顕著になっているとして、仁坂吉伸知事は7日、学校や保育所など教育現場での感染予防対策の徹底や、大学生などの若者に感染の危険がある行動を取らないこと、ワクチンの積極的な接種などを呼び掛けた。

20代以下の感染者の割合は、第4波の27・5%に対し、7月11日以降の第5波(8月24日時点)では47・5%(10歳未満7・3%、10代15・0%、20代25・2%)まで増加し、約半数を占める。

県内では8月以降、小学校の学童保育でのクラスター(感染者集団)が2件、習い事関係でスポーツ大会の県外遠征チーム、児童のクラブチームの2件のクラスターを確認。大学生関係では、運動部で1件、アルバイト仲間による長時間のカラオケで1件のクラスターが発生している。

県内のワクチン接種率(9月4日時点)は、全体で1回目が68・21%、2回目が57・38%。65歳以上の高齢者は1回目90・06%、2回目88・61%で希望者の接種がほぼ完了しているとみられる一方、世代が若くなるほど接種率は低く、40代以上は1回目の接種率が5割を上回っているのに対し、1回目の接種を終えた10代は30・58%、20代は42・18%、30代は47・33%にとどまっている。

国からのワクチン配分率は、12歳以上の接種対象者約87万人に対し、10月10日時点の決定済み分で75・7%(市町村での実施分のみ)。医療関係者への優先接種と職域接種を合わせるとさらに約7%増え、80%を超えるとみられる。

仁坂知事は、希望者全員がすぐに接種できる状況ではないとしながらも、「早めに(予約を)申し込んだ方がいい」と述べ、接種に向けた行動を起こすよう呼び掛けた。また、最近の感染者で、発熱などの症状がある状態で出勤した児童福祉施設職員や介護事業所職員が施設内に感染を広げてしまった事例、発熱と咳が続きながら受診せず、8日目に息苦しさを感じて救急受診し、ICU入室に至った事例を紹介。「無理をするのは美徳ではない。体調がおかしいと思ったらすぐにクリニックに行ってほしい」と求めた。

 

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