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和歌山さんぽみちプロジェクト

信州銘菓「みすゞ飴」のこだわり

前号では、和歌山県固有の柑橘(かんきつ)「三宝柑」を加工した菓子などを販売し、苗木を全額補助する取り組みを行う長野県上田市の菓子店、株式会社飯島商店を取り上げた。今週は同店の看板商品である「みすゞ飴」を紹介したい。
みすゞ飴は明治時代末期に開発され、果実を寒天、グラニュー糖、水飴で固めた乾燥ゼリー菓子。横幅約4㌢、高さと奥行がそれぞれ約2㌢の直方体をしている。セロファンで包まれ、両端をねじる形で販売されており、どこか懐かしさを覚える。
三宝柑の他に、アンズ、ウメ、ブドウ、モモ、リンゴの合計6種類があり、それぞれ異なる配色であることからとてもカラフル。複数の種類を箱詰めして販売され、箱を開けたときの美しい色合いに思わず声を上げてしまう。
「みすゞ」の名は、信濃の国の枕詞である「みすゞかる」に由来するという。果物栽培が盛んな信州を代表する菓子として、初代社長が命名した。
無着色、無香料にこだわり、厳選された国産の高品質な果物を使用することで、着色料や香料を使わず、果物本来の味を提供している。また、機械による大量生産は行わず、職人の手作りであり、飴の断面が機械的に切り取られたものではなく、人の手で切り分けられたものであることから、人の手の温もりさえ感じさせてくれる。
実際に食べてみると、寒天特有の弾力があり、果物そのものの味が口いっぱいに広がる。嫌な甘さや強い香りはなく、子どもにも安心して食べさせられる。
京阪神の百貨店の菓子売場で取り扱いがある他、同店のウェブサイトから通信販売で求めることも可能。三宝柑を使った信州伝統の味、みすゞ飴をぜひご賞味あれ。(次田尚弘/上田市)